[ニューデリー/ベンガルール 16日 ロイター] - インドの複合企業リライアンス・インダストリーズ (NS:RELI)は、米企業などから集めた約200億ドルの資金でデジタル大手となる目標に近づき、成長が見込めるインドで事業拡大を目指す米アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)やウォルマート (N:WMT)にとって脅威となる可能性が出てきた。
米アルファベット (O:GOOGL)傘下のグーグルは、同社のデジタル事業子会社ジオ・プラットフォームズに7.7%出資すると発表。米IT(情報技術)大手ではフェイスブック (O:FB)も4月下旬にジオへの出資を発表している。グーグルの出資で、ここ数カ月のジオへの戦略出資は1兆5200億ルピー(約202億2000万ドル)となった。
また、ジオには、プライベート・エクイティや政府系ファンドなどの海外マネーも集まっている。
ネット通販からクラウドコンピューティング、通信、オンライン決済までリライアンスはあらゆるデジタル分野への進出を計画しており、専門家からは、アリババ (N:BABA)や騰訊控股(テンセント・ホールディングス) (HK:0700)といった中国の電子商取引大手と同等との見方が出ている。
ジオは、格安のスマホとデータプランで売り込み、数年でボーダフォン・アイデアやバーティ・エアテルといった通信大手からシェアを奪い、国内最大の通信会社となった。
ムケシュ・アンバニ会長兼社長は15日、小規模小売店と消費者を結ぶ電子商取引プラットフォーム、ジオマートを拡大すると表明。日用品だけでなく電子機器やファッション製品などより多くの商品を扱うと明らかにした。「われわれはより多くの都市に進出し、インド国内で顧客を増やし、さらなる分野に進出する」と強調した。
あるインド国内の業界関係者は、インドでの事業拡大を目指すアマゾンやウォルマートにとって脅威になるとの見方を示した。
ただ、既にインドに進出しているアマゾンやウォルマートは、インド各地に倉庫や配送センターを設け、サプライチェーンを構築しており、リライアンスにとり厳しい競争が見込まれる。
また、ジオマートは現在、200都市で日用品配送を手掛けるが、一方のアマゾンや、ウォルマート出資のフリップカートは、インド全土で事業を展開し、様々な製品を扱っている。