[メルボルン 29日 ロイター] - 英豪系資源大手リオ・ティント (AX:RIO)は29日、中国経済について、新型コロナウイルス感染拡大を受けた当局の景気支援策により、急角度のV字回復がみられると指摘した。この日発表した上期(1─6月)決算は利益が市場予想を上回った。
上期は、新型コロナの流行で鉄鉱石の生産に影響が出る一方、価格上昇という恩恵もあった。
ジャンセバスチャン・ジャック最高経営責任者(CEO)はコンファレンスコールで「中国は非常に急角度のV字型回復をしている」と指摘し「中国の鉄鋼・鉄鉱石需要は非常に強く、受注はフルだ」と述べた。
上期の実質利益は47億5000万ドル。Vumaが集計したアナリストのコンセンサス予想(43億6000万ドル)を上回った。鉄鉱石が実質利益の96%を生み出した。
中間配当は1株=1.55ドルで前年を上回り過去最高額を提示。ただ、一部で期待されていた特別配当は見送った。
ジャックCEOは、中国以外の需要回復の見通しは不透明とし「米欧などの主要国の回復はかなり一時的。世界的に大量の失業者が出ている状況で個人消費が今後どうなるかが大きな問題だ」と述べた。
上期は、4カ所のアルミ製錬所やカナダのダイヤモンド鉱山などに関連して10億ドルの減損処理をした。
フリーキャッシュフローは28%減少。開発事業や税金支払いに資金を振り向けたことが響いた。
ジェフリーズは、金属価格の上昇や単価の安定を踏まえ、下期はフリーキャッシュフローが回復し、通期特別配当を実施する可能性があるとの見方を示した。
リオは、すべての鉱物について2020年生産予想を据え置いた。