[ローマ 6日 ロイター] - 関係筋によると、イタリア財務省は、同国銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ) (MI:BMPS)の政府保有株の買い手を年末までに見つけることを望んでいる。
イタリア政府は2017年、モンテ・パスキの68%株を54億ユーロ(約64億ドル)で取得し救済。ただ、救済時の欧州連合(EU)競争当局との合意によると、保有株を来年、売却する必要がある。
買い手確保に向けて、モンテ・パスキは81億ユーロ相当の不良債権を国営の不良債権管理会社AMCOに売却することを計画している。
売却すれば、モンテ・パスキの不良債権比率は4%程度と、業界の平均を下回り、救済前の40%超や現行水準の12%から改善する。
ただ不良債権売却に際しては、欧州中央銀行(ECB)の資本要件を満たすため「その他Tier1債(AT1債)」を発行する必要がある。関係筋によると、発行規模は合わせて7億5000万ユーロに上る可能性があり、モンテ・パスキには厳しいとみられる。そのため財務省は、買収の一環として不良債権削減を支援してくれる買い手を見つけることで、AT1債発行の回避を望んでいるという。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200907T092753+0000