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アーバネット Research Memo(3):新コンセプトのマンション開発や独自の防災プログラムを導入

発行済 2020-09-08 15:43
更新済 2020-09-08 16:01
© Reuters.  アーバネット Research Memo(3):新コンセプトのマンション開発や独自の防災プログラムを導入

■会社概要3. 企業特長アーバネットコーポレーション (T:3242)の特長(強み)として、(1)優れたデザイン性や機能性、好立地へのこだわりによる差別化、(2)徹底したアウトソーシングによる少人数体制により固定費を圧縮する効率的な経営を挙げることができる。

(1) 優れたデザイン性や機能性、好立地へのこだわり同社は、得意とする設計・開発に経営資源を集中することで、デザイン性や機能性に優れた「ものづくり」による差別化を始め、用地取得の可否を短時間で決定できる自社内プラン設計体制に強みを有する。

特に、「ものづくり」への「5つ」のこだわりとして、1)モノトーンでインパクトのある外観、2)アンケートによるユーザーニーズの徹底分析、3)空間を最大限に生かした収納スペース、4)自社開発までするこだわりのファシリティ「ユノバース」※、5)アートのある居住空間、を掲げており、それらが一体となった価値提供により、ターゲットとなる若い世代からの支持を受けてきたと言える。

また、立地に関しては、都内23区内で駅から徒歩10分以内の用地を基本としている。

※自社開発の足を伸ばせるユニットバス。

2019年4月には同社開発物件の「ケリア西馬込アジールコート」が全住協※1優良事業審査会による第9回優良事業賞を受賞した。

また、音大生やミュージシャン、音楽関係者、音楽を楽しみたい人達などを対象とした防音賃貸マンション(ミュージシャンズヴィラ)など、ターゲットを絞り込んだ新しいコンセプトのマンション開発でも実績を上げている。

さらに2020年1月には、自社開発の投資用ワンルームマンションに台風対策を取り入れた「アーバネット防災プログラム」※2を導入した。

経営理念である「人々の安全で快適な『くらし』の提案を行い、豊かで健全な社会の実現」に通じるほか、気候変動によって発生する台風等の防災対策として、SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献や商品価値の向上にもつなげていく考えである。

※1 全国住宅産業協会とは、中堅企業を中心に上場企業も含む全国1,700社を擁する団体で、会員は首都圏並びに北海道から沖縄まで、各地域においてマンション及び戸建住宅の供給や住宅を始めとする不動産流通事業等を行っている。

※2 防災倉庫の設置や電気室の地上階設置など設計面に加え、強風対策、豪雨対策、停電対策など設備面での対策を施すものであり、今後開発する投資用ワンルームマンションに順次導入していく方針である。

なお、同社はアートと住空間の融合による社会貢献活動(CSR)の一環として、学生のみを対象とした立体アートコンペティション「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション(AAC)」を2001年より毎年開催し、若手アーティストの発掘、支援、育成を行っている。

この活動は(公社)企業メセナ協議会※からメセナ(芸術文化支援)として認定されるとともに、同協議会が主催する「メセナアワード2017」にて優秀賞「アートの玄関賞」を受賞している。

※企業による芸術文化支援活動の活性化を目的とした中間支援機関。

(2) 少人数体制による効率的な経営同社は、投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売(卸売)をビジネスの核としているが、アウトソーシングを最大限に利用した少人数による効率的な経営を実現している。

また、その事業モデルを支えているものは、同社の開発物件に対する評価の高さと販売先との信頼関係と考えられる。

2020年6月期末における連結社員数(契約社員等を含む)は53名、1人当たりの売上高が約415百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が約28百万円と高い生産性を示している。

特に固定費を低く抑えることで、高い収益性の確保と景気変動にも柔軟に対応できる体制を堅持している。

加えて、1棟での卸売は売れ残りリスクが少なく、竣工から短期間での資金回収を可能としており、不動産業界にあって安定性の高い事業構造と言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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