[8日 ロイター] - ビジネス対話アプリを手掛ける米スラック・テクノロジーズ (N:WORK)が発表した第2・四半期(5━7月)決算は、市場が注目する請求額の伸びが鈍化し、新規の有料顧客数も前期を下回った。在宅勤務向けサービスの競争激化が響いた。
株価は米株式市場引け後の時間外取引で15%急落した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅勤務が広がる中、ビデオ会議システム「Zoom」を手掛ける米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ (O:ZM)やアルファベット (O:GOOGL)傘下のグーグル、職場向け協業アプリ「チームズ」を提供するマイクロソフト (O:MSFT)などの競合他社がシェア拡大を狙っている。
スラックは新型コロナの悪影響が最も大きい小売りおよび旅行業からの需要鈍化に直面しており、在宅勤務向けサービスの競争激化がさらなる業績の重荷となっている。同社は既に、通年の請求額目標を取り下げている。
第2・四半期に新たに獲得した顧客数は8000人と、第1・四半期の1万2000人を下回った。
請求額は25%増と、前期の38%から伸びが鈍化。スラックのような定額課金(サブスクリプション)のビジネスモデルを持つネット企業では請求額が重視されている。
売上高は予想を約700万ドル上回ったが、この結果は通年見通しに反映されなかった。通年の売上高見通しは8億7000万─8億7600万ドルと、市場予想の8億7230万ドルにほぼ一致した。
普通株の株主に帰属する最終損益は7480万ドル(1株当たり0.13ドル)の赤字と、前年同期の3億5960万ドル(0.98ドル)から赤字幅が縮小した。