[ロンドン 6日 ロイター] - 米マイクロソフト (O:MSFT)の創業者であるビル・ゲイツ氏は6日、新型コロナウイルスワクチンの有効性が確認されて早期に準備が整い、適切な規模で提供されれば、先進国は2021年終盤までに正常に近い状態に戻る可能性があるとの見方を示した。
ゲイツ氏は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催のイベント「CEOカウンシル」で、「最良のシナリオでは、来年終盤までに正常にかなり近い状態に戻るだろう」と述べた。
その上で「ワクチンが成功するかどうかはまだ分からない」とし、「生産拡大には時間がかかるため、米国内や米国と他国の間で配分が主な争点になるだろう」と指摘した。
西側諸国では、米製薬大手ファイザー (N:PFE)とドイツのバイオ医薬品ビオンテック (F:22UAy)が開発中のワクチンや、英アストラゼネカ (L:AZN)がオックスフォード大学と開発を手掛けるワクチンが規制当局の承認を最初に得る候補として有望視されている。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は6日、新型コロナのワクチンが年末までに準備できる可能性があると述べた。[nL4N2GX3PF]
ゲイツ氏と妻メリンダ氏の慈善団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」は9月、16社の製薬会社とワクチンの生産加速や広範な早期分配に関する合意書に署名した。
ワクチンの開発レースでは、ロシアが独自に開発したワクチンの臨床試験とともに一般国民への投与を推進しており、安全面などで懸念が浮上している。
ゲイツ氏は「われわれはロシアや中国とも協議している」と明らかにした。その上で、科学的見地からは両国のワクチンは十分に有効なプロジェクトであるものの、信頼性の高い第3段階の臨床試験が行われていないことから国外での需要が抑制される可能性があるとした。
新型コロナの感染抑制と経済再開への取り組みでうまくバランスを取った国としては、韓国やオーストラリアを挙げた。