[ワルシャワ/モスクワ 7日 ロイター] - ポーランドの競争当局は7日、ロシア産ガスをバルト海経由で欧州に輸送するパイプライン「ノルドストリーム2」を巡り、当局の承認を得ずに敷設を進めているとして、ロシア国営天然ガス独占企業ガスプロム (MM:GAZP)に290億ズロチ(76億ドル)超の罰金を科すと発表した。ガスプロムは反発し、上訴する構えを示している。
ノルドストリーム2を巡っては、欧州のエネルギー供給におけるロシアの支配力が強まるとの懸念が出ており、米国が制裁強化に動くなどしている。
ポーランド当局はまた、同プロジェクトに資金提供した他の5社に対して総額2億3400万ズロチの罰金を科したことも明らかにした。
ガスプロムが主導する110億ドル規模の同プロジェクトは、独ウニパー (DE:UN01)、BASF (DE:BASFn)傘下のウィンターシャル、英・オランダ系ロイヤル・ダッチ・シェル (L:RDSa)、オーストリアのOMV (VI:OMVV)、仏エンジー (PA:ENGIE)が合わせて50%を出資している。
OMVとエンジーはそれぞれ8800万ズロチ、5550万ズロチの罰金を科された。エンジーはコメントを控えた。OMVはコメント要請に応じていない。
ポーランド当局は、この決定を受けてこれらの企業はノルドストリーム2への出資に関する合意を破棄する義務を負うとしている。
ガスプロムは当局の規制に違反していないとし、上訴する方針を示した。
ウニパーも罰金の決定を不服とし、上訴を検討していることを明らかにした。同社は、最終的な判断には最長4─5年かかる可能性があり、それまで罰金を払う必要はないとの認識を示した。