[14日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックス・グループ (N:GS)が14日発表した第3・四半期(9月30日まで)決算は、トレーディング部門の好調などを背景に大幅増益となり、市場予想を上回った。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて顧客の株式・債券取引が活発化し、トレーディング収入が全体で29%増の46億ドル。JPモルガン・チェース (N:JPM)やシティグループ (N:C)などの競合他社を上回る伸びとなった。
債券トレーディング収入は49%増の25億ドル、株式トレーディング収入は10%増の20億5000万ドルだった。
ゴールドマンは競合と比べて個人向け事業の規模が小さく、コロナ禍による債務不履行や低金利の影響は限定的だった。
トレーディング部門の収入が全体の42%を占めた一方、個人向け部門と資産運用部門では14%だった。
ソロモン最高経営責任者(CEO)は声明で、市場シェアが拡大し、パンデミック後の回復に資すると述べた。
第3・四半期の引当金計上額は2億7800万ドル。第2・四半期は15億9000万ドルだった。
自己資本利益率(ROE)は17.5%と、2010年以降で最高を記録した。
第3・四半期はスノーフレーク (N:SNOW)やロケット・カンパニーズ (N:RKT)、ダン・アンド・ブラッドストリート・ホールディングス (N:DNB)など注目度の高い新規株式公開(IPO)が多く、引受手数料が増加した。
シャー最高財務責任者(CFO)は電話会議で、IPO案件が「大幅に増加している」とし、今後の手数料増加を示唆した。
普通株主に帰属する純利益は35億ドル(1株当たり9.68ドル)と前年同期の18億ドル(同4.79ドル)から倍増し、リフィニティブのアナリスト予想(1株当たり5.57ドル)を上回った。
純総収入は30%増の107億8000万ドル。予想は95億ドルだった。
主要4部門全てで増収。資産運用部門の収入は71%増の28億ドルとなった。
ゴールドマン株価は他の大手銀行が値下がりする中、序盤の取引で0.6%高。
オッペンハイマーのアナリスト、クリス・コトウスキ氏は、「ゴールドマンは依然として魅力的な株だ」と指摘。「融資ポートフォリオは他社に比べて小規模で質が非常に高く、新型コロナの最大リスクであるクレジットカードや中小企業向け融資が最小限に抑えられている」とした。
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