[東京 10日 ロイター] - 富士フイルムホールディングス (T:4901)は10日、2021年3月通期の連結営業利益(米国基準)予想を前年比23.4%減の1430億円に上方修正した。従来予想は1400億円。バイオ医薬品の開発・製造受託事業の成長を織り込んだ。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均は1487億円。
バイオ関連の好調を受けて、売上高予想も2兆2000億円から同4.5%減の2兆2100億円に引き上げた。株式売却益などを織り込み、純利益予想も上方修正。樋口昌之執行役員はオンライン会見で「コロナ影響を強く受けた状況下でも、(純利益は)昨年度と同額の1250億円を維持する」と述べた。
全社的に4―6月期を底に徐々に回復していく前提で、1―3月期は全セグメントで対前年増収を計画し、全体の売上高でコロナ影響のなかった19年1―3月期の水準を上回る計画。新型コロナウイルス感染症の治療薬候補で承認申請している「アビガン」の売り上げ影響は、国内備蓄で140億円弱、海外で数十億円を見込んでいる。
ドキュメント事業では、オフィスでのコピーボリュームは国内でコロナ禍前の95%、アジアパシフィックで90%まで戻るとみている。減少分はソリューション・サービスでカバーする。イメージング事業はインスタントカメラ「チェキ」の販売が7―9月に前年同期を上回っており、年末商戦に向けて回復傾向を継続させる考え。
20年4―9月期の営業利益は前年同期比38.6%減の564億円。純利益は同10.6%増の676億円だった。
*内容を追加しました。
(平田紀之 編集:青山敦子) OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20201110T063423+0000