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日経平均は8日続伸、「堅調な指数とリバーサルの繰り返し」続く理由

発行済 2020-11-12 12:16
更新済 2020-11-12 12:21
© Reuters.  日経平均は8日続伸、「堅調な指数とリバーサルの繰り返し」続く理由

 日経平均は8日続伸。

109.53円高の25459.13円(出来高概算6億1000万株)で前場の取引を終えている。

 11日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに小幅反落し、23ドル安となった。

全米での新型コロナウイルス感染者数が急増を続けており、ニューヨーク州も外出禁止令を発令したことなどからワクチン開発期待が相殺され、引けにかけて下落した。

ただ、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は2%の上昇。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が追加金融緩和に前向きな姿勢を示したこともあり、本日の日経平均は89円高からスタートした。

景気敏感株に売りが出る一方、「ウィズコロナ」関連の値がさグロース(成長)株が買われ、日経平均は朝方に一時25587.96円(238.36円高)まで上昇。

しかし、前引けにかけて伸び悩む展開となった。

新興株中心のマザーズ指数は1.83%の上昇で前場を折り返している。

 個別では、ソフトバンクG (T:9984)、ファーストリテ (T:9983)、ソニー (T:6758)、キーエンス (T:6861)などが堅調。

ソニーは本日、家庭用ゲーム機「プレイステーション5」を発売し、好調な滑り出しと伝わっている。

「ウィズコロナ」関連とされる任天堂 (T:7974)やエムスリー (T:2413)は上げが目立つ。

決算発表銘柄ではNISSHA (T:7915)などが急伸。

中小型株では再生可能エネルギー発電を手掛けるレノバ (T:9519)が賑わい、モバイルWi-Fiの会員数が大幅に伸びたベネフィットJ (T:3934)はストップ高を付けている。

一方、トヨタ自 (T:7203)や三菱UFJ (T:8306)は反落。

JR東 (T:9020)が2%超、三越伊勢丹 (T:3099)や高島屋 (T:8233)が5%超下落するなど、新型コロナ再拡大への警戒感も窺える。

決算発表銘柄では電通グループ (T:4324)が大きく売られ、アイフル (T:8515)は東証1部下落率上位に顔を出している。

 セクターでは、その他製品、情報・通信業、精密機器などが上昇率上位。

半面、不動産業、鉄鋼、保険業などが下落率上位だった。

東証1部の値上がり銘柄は全体の33%、対して値下がり銘柄は64%となっている。

 本日の日経平均は8日続伸で前場の取引を終え、取引時間中としてはバブル崩壊後の戻り高値を連日で更新している。

ただ、東証1部全体では値下がり銘柄が半数を超えており、東証株価指数(TOPIX)は小幅ながら8日ぶり反落。

米国株が高安まちまちだったのと同様、東京市場でも値がさグロース株が買われ日経平均を押し上げる一方、景気敏感系の大型バリュー(割安)株を中心に利益確定売りが出ている格好だ。

 前日までは米大統領選の大勢が判明したことによるあく抜け感に、米製薬大手ファイザーなどが開発する新型コロナワクチンへの期待も重なって、米長期金利の上昇とともに景気敏感系バリュー株のリバーサル(株価の反転上昇)が生じた。

しかし、米国では新型コロナによる入院患者数が過去最多の水準となっており、ニューヨーク州は飲食店に夜10時の閉店を求めるなど営業規制の再強化に踏み切った。

日本でも東京都の新規感染者数が11日、317人と8月20日以来の300人超えとなった。

ファイザーなどのワクチンを巡っては、長期的な有効性や安全性が立証されたわけでないとの専門家の指摘が出ているほか、超低温での供給体制構築といった課題も残る。

目先の感染拡大リスクとワクチンに対する冷静な受け止めが本日の「リバーサルのリバーサル」につながったのだろう。

 景気敏感株の反落でさすがに株価指数の上昇にも一服感が出てきたが、日経平均は前日までの7日続伸で2400円近く上昇した割に調整らしい調整を強いられていない。

これにもいくつかの理由が考えられる。

まず第1に、米大統領選という最大のリスクイベントを通過したことによる株価変動率(ボラティリティー)の低下が挙げられる。

「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は11日、23.45(-1.35)まで低下した。

節目とされる20を下回ってくるかまでは見通しづらいが、運用リスクを積極的に取りに行く動きにつながっていると考えられる。

 世界的な新型コロナ再拡大やねじれ議会による米政治の停滞などの懸念がなお燻るなかでの株高に、「市場はリスク感覚が鈍くなった」との指摘も多く見られる。

しかし、こうしたリスクシナリオが顕在化した際は米連邦準備理事会(FRB)など主要中央銀行による追加緩和が見込めると市場参加者は判断しているのだろう。

これが一見すると過度とも受け止められるようなリスクテイクにつながっているもう1つの理由として挙げられる。

先週6日の当欄でも述べたが、コロナショック後の戻り相場では売り向かっていたファンド勢がことごとく敗北を認める状況となった。

一様に敗戦の弁として「FRBの資金供給の影響が想定以上だった」と述べており、その記憶が鮮明なうちは積極的に売りに傾きづらいだろう。

 日本株固有の株価押し上げ要因としても、バイデン米大統領誕生による米中摩擦の緩和期待、企業の業績見通し改善などがある。

 もちろん、筆者もこのまま一本調子の株高が続くとまでは楽観視していない。

FRBはコロナ渦中の過度な資産高に警鐘を鳴らしているし、新型コロナ克服と緩和的な金融環境が長期間共存するとの市場の見方は楽観的に過ぎるように思われる。

とはいえ、上述したような足元の環境を踏まえると、株価指数は大幅な調整を強いられそうにないし、新型コロナ感染状況とワクチン開発動向を睨み短期リバーサルを繰り返す相場展開が続くと考えられる。

(小林大純)

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