[ベルリン 17日 ロイター] - ドイツ取引所 (DE:DB1Gn)は17日、米議決権行使助言会社大手のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)の株式80%を18億ドルで取得すると発表した。取引所業界ではM&A(合併・買収)が相次いでいる。
ISSは長期的な価値向上のため、株主総会での議決権行使について株主への助言を行っている。ISSの所有権が移るのは過去10年で4回目となる。現在の所有者であるジェンスター・キャピタルは2017年にISSを7億2000万ドルでべスター・キャピタル・パートナーズから買収した。
ドイツ取引所の買収額はISSの企業価値を23億ドルと評価している。発表文によると、ISSの現在の経営陣とジェンスター・キャピタルは引き続き株式の20%を保有する。
ドイツ取引所にとっては、テオドール・ワイマー氏が約3年前に最高経営責任者(CEO)に就任して以降で最大の買収案件。イタリア証券取引所買収に向けた取り組みが今夏に頓挫したのを受け、同氏は買収を通じて成長を追求する方針を示していた。[nL4N2GF27C]
ドイツ取引所は買収資金を手当てするため、10億ユーロ(12億ドル)を新たに借り入れる。規制当局の承認はまだだが、2021年上半期に買収手続きが完了すると見込む。
取引所業界では電子取引プラットフォームをテコにデータ分析サービスを拡充する動きが加速している。
ロンドン証券取引所(LSE) (L:LSE)は、金融情報会社リフィニティブを270億ドルで買収する計画を発表している。
ドイツ取引所は、今回の買収によってESG(環境、社会、企業統治)に関するデータや倫理的投資戦略を支える分析の提供で主導的地位を確立できるとの見方を示した。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20201118T004656+0000