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エノモト Research Memo(4):超精密部品の超精密加工・大量生産・品質管理で差別化

発行済 2020-12-08 15:14
更新済 2020-12-08 15:21
© Reuters.  エノモト Research Memo(4):超精密部品の超精密加工・大量生産・品質管理で差別化

■事業概要2. エノモト (T:6928)の強みインサート成形は同社の製品群に横軸を通したような技術で、超精密な金属打ち抜き部品と樹脂成形を一体化した高精度な一体成形部品の製造方法である。

平状フープ及び縦フープでのインサート成形や、単品部品をロボットで成形金型に供給して成形する複合成形など、長年培ってきた高度な超精密加工技術により、あらゆるパターンのインサート成形にも対応することができる。

また、金型の設計や製造、部品生産のみならず、開発から試作、量産に至るまでのライン構想の提案など、成形に関するあらゆるニーズに対応することができる。

主な製品はLEDやコネクタ、通信用リレー、センサー、レーザー用の部品などで、省電力や多機能・小型化といったニーズに応えている。

ところでインサート成形は、金型とフレームなどを一体に成形する技術であるため、厳しい寸法精度が要求される。

同社は、フレームと樹脂成形のマッチングを社内で一括管理・一貫生産しており、こうした高精度の成形部品を億単位かつ高精度で生産することができる。

こうした超精密の加工技術、億単位の大量生産、高精度な品質管理の三拍子がそろっているメーカーは他になく、同社の強みとなっている。

ほかにも独立系であること、ある品目が苦戦しても他の品目でカバーできる多品目製造、日本・中国・フィリピンのどの生産拠点でも同品質の部品を製造することができる三極体制なども、同社の大きな特徴である。

内外工場ともに高精度・一貫生産体制を誇る3. 生産体制同社の工場はどの工場も、蓄積してきた技術と独創的で効率的な生産ラインにより、顧客の要求を満たす高品質な製品を生み出すことができる。

ますます強まる顧客の高度な技術への要求を実現するため、国内の各工場では、インサート成形の本社工場(上野原サイト)、リードフレームの本社工場(塩山サイト)、コネクタ用部品の津軽工場、リードフレーム及びコネクタ用部品の岩手工場と、それぞれの工場が得意とする分野を持ち、様々な技術やノウハウを集約している。

また、海外の製造拠点であるフィリピン工場と中国・中山工場はともに、日本と同水準の高い品質基準と万全な生産体制を構築しており、金型の設計からプレス、メッキ、樹脂成形、完成部品までの一貫した製造を「メイドインジャパン」品質で行うことができる。

もちろん海外においても、顧客のコストや納期に対する要求に、国内同様適切に対応している。

特にメッキ加工の認可取得が困難と言われる中国において、メッキ工程まで含めた一貫生産ができる数少ない「メイドインジャパン」品質の日系企業として、非常に評価が高い。

生産プロセスは基本的に1)製品仕様の打合せ・開発設計→2)試作金型の作成→3)量産金型の作成→4)量産プレス→5)メッキ→6)インサート成形と組み立て→7)品質管理検査——という一貫したフローになっている。

特徴は、どのプロセスにおいても、顧客の特別なニーズに対応できることである。

品質管理面では、全工場でISO9001とISO14001を取得、海外でも国内生産と同じ基準で品質管理を実施している。

三次元SEM(高機能測定器)による分析や品質に厳しい車載用デバイス向け製品の供給実績から、同社の品質管理技術が高水準にあることが理解できる。

車載用製品における更に厳しい品質管理・環境管理に対応するため、自動車産業の国際的な品質マネジメントシステムであるIATF16949の認証を中国で取得、2019年9月には岩手工場でも認証を取得した。

IATF16949認証とは、自動車部品及び自動車用材料メーカーを対象に制定された、「欠陥の予防」と「バラツキとムダの削減」を達成するための自動車業界特有の品質マネジメントシステム要求事項で、ISO9001:2015をベースにつくられたセクター規格である。

認証があれば、自動車産業における受注活動が大きく効率化されると考えられる。

今後、他の工場でも認証取得を進める方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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