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デリカフHD Research Memo(6):新規事業となるECサイト「青果日和」、2020年12月に本格運用開始

発行済 2021-01-05 15:46
更新済 2021-01-05 16:01
© Reuters.  デリカフHD Research Memo(6):新規事業となるECサイト「青果日和」、2020年12月に本格運用開始

■今後の見通し1. 2021年3月期の業績見通し及び収益回復に向けた事業戦略デリカフーズホールディングス (T:3392)の2021年3月期の業績見通しは、コロナ禍の影響を現段階で合理的に算定することが困難なため、引き続き未定としている。

ただ、同社は月間売上高で30億円程度の水準でもほぼ黒字化できる収益体質を構築しており、2020年10月の経常利益は黒字でスタートしている。

今後も野菜市況の安定が続き、月間売上高で30億円ペースを維持できれば下期以降は黒字基調が定着する見通しだ。

今後の収益回復に向けた事業戦略としては、既存事業の立て直しとBtoC、DtoC事業への本格展開の2点が挙げられる。

(1) 既存事業の立て直し既存の外食業界向けについては、コロナ禍の影響が少ない業態の顧客開拓及び取引深耕に注力することで、新型コロナウイルス感染症に対する耐性力が強い収益ポートフォリオを構築していく考えだ。

具体的には、ファストフード業態に注力していくことになる。

2020年夏に大手顧客との取引を開始した効果もあり、2021年3月期第2四半期累計の同業態向けは増収となった。

現在は中部エリア限定の販売だが、既に月商で1億円を超える月も出ているようだ。

2021年4月からは九州エリアでも販売を開始する予定となっており、将来的にさらなるエリアの拡大も予想される。

また、中食業態では宅食、給食事業者向けで顧客開拓が進んでおり、同業態向けの売上が下期以降拡大する見通しとなっている。

宅食向けでは2020年11月にワタミと業務提携並びにワタミの長崎工場の資産譲渡契約を締結したことを発表している。

2021年1月以降、「ワタミの宅食」サービスを通じて提携商品第1弾の販売を開始するほか、長崎工場にてミールキット商品の開発・製造・販売を2021年2月から開始する。

ミールキットとは、あらかじめ決まった料理メニューを簡便に作れるように肉や魚、野菜などの食材をパックにして提供する商品で肉や魚などは半分調理した状態、野菜はカットした状態で提供される。

同社ではカット野菜や真空加熱野菜で培った開発・製造並びに衛生管理ノウハウを生かして、同事業に参入する。

同社の野菜に関する様々なノウハウを商品開発に生かすことで競合との差別化を図り、キット事業の拡大を狙っているものと思われる。

一方、給食事業者向けについても学校・病院等を中心に全国展開し、売上規模で1,000億円に迫る業界大手と新たに取引を開始し、2020年末より販売を開始した。

従来、給食事業者向けは採算面で厳しかったことから注力してこなかったが、給食業界も人材不足でアウトソーシングニーズが高まっており、一定の利益率が見込めるようになったことから受注した。

月商数千万円規模からのスタートとなり、給食業界向けも2021年3月期下期以降は売上増が期待される。

(2) BtoC事業BtoC事業についても営業を強化しており、顧客の開拓が順調に進んでいる。

前述したように大手スーパーや百貨店の総菜売り場向けにカット野菜の販売が開始されたほか、コンビニエンスストア向けでカットフルーツも新たに採用されている。

また、百貨店や通販事業者などが自社で運営するECサイト向けの販売も増えてきたようだ。

従来は、外食企業の顧客開拓を優先してきたため注力してこなかった分野だが、外食業界の環境が急激に悪化し売上を確保する必要もあり営業を強化した。

元々、同社工場の衛生管理や生産品質は国際標準規格の認証を受けるなど折り紙付きで合ったことや、実際の工場見学をした後の評価も高く、スムーズに取引が始まっているようだ。

このため、今後もBtoC分野においては顧客企業が増加する可能性が高く、売上規模も拡大していくものと予想される。

(3) DtoC事業コロナ禍において生活様式が大きく変わるなか、同社を取り巻く環境も激変し業績面で大きなダメージを受けたが、コロナ禍において契約産地の支援と雇用を維持していくため、いかに売上を確保していくか試行錯誤するなかで、新規事業としてDtoC事業に本格参入することを決定した。

緊急事態宣言下において、同社は2020年4月以降、ドライブスルー形式で野菜のBOX売りを開始、BOXにアンケート用紙を同梱して、顧客からの評価を収集したところ、非常に評判が良かったことから、事業化は十分可能と判断した。

まず、EC販売のノウハウを蓄積するために、自社で「ベジマルシェ」ブランドのECサイトを同年7月にオープンし、同年9月に同業の(株)フードサプライ及びリーシングや実店舗を運営する(株)リトリーブと合弁会社、青果日和研究所を設立(同社出資比率は45%)し、同社でDtoC並びにBtoC事業を展開していくことを発表した。

青果日和は2020年12月より「青果日和」ブランドのECサイトをオープンし、全国の契約産地から厳選した青果15品目以上を詰め合わせた「青果BOX」の定期購買(月2回)での販売※をまずはスタートした。

高級レストランや百貨店などで使用される高品質で旬な青果を手軽な価格で購入できるというのがコンセプトとなっている。

おすすめレシピなども同梱されており、料理好きの主婦や美容・健康意識の高いユーザー層をターゲットにしている。

当面は同社の埼玉FCセンターにて集荷・仕分作業を行い全国にチルド配送することになり、特段の設備投資は不要となる。

商品については「青果BOX」以外にも今後、拡充していく。

DtoC事業ではブランドの認知度向上が重要となるため、今後、有名シェフや芸能人などを起用したプロモーション展開を進めていく予定にしている。

潜在見込み顧客として、同社の株主約1万人のほか、フードサプライが保有する会員約3万人が考えられるが、今後の契約件数の動向が注目される。

※1回のみの販売も行っている。

一方、BtoC事業としても伊勢丹のECサイト「ISETAN DOOR」で青果日和ブランドのスムージーキットやカットフルーツの販売を開始したほか、アパレル・雑貨などの異業種とのコラボレーション企画も進んでいる。

これら企業を介しての販売も今後開始していくことになりそうだ。

特に、通販事業者は生鮮商品の品揃えニーズが高く、今後の引き合い期待は大きいと言う。

そのほか、2021年秋頃にはリアル店舗でも出店する計画となっている。

「青果日和」ブランドによる流通金額としては、2023年3月期に30億円を目標として掲げている。

当面はプロモーション費用など先行投資が掛かるものの、30億円規模まで育てば経常利益率で5%前後の水準が可能で、既存事業の収益性(経常利益率で2%前後)を上回ると同社では見ている。

なお、「ベジマルシェ」と「青果日和」のすみ分けについてだが、「ベジマルシェ」はこれまで同社が培ってきたノウハウや技術・研究開発を生かすECサイトとして活用していく予定で、催事やアウトレットでのイベント出店、コラボ企画なども行う。

位置づけとしては商品の需給バランスの調整弁及びフードロス削減などを目的としたものとなり、同ブランドでの利益貢献は見込んでいない。

一方、「青果日和」は積極的にプロモーション展開もして、収益を稼ぐ事業として育成していくことになる。

「青果日和」を拡大していくことでもフードロスの削減につながり、社会課題解決型事業として捉えることもできる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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