[ニューデリー 18日 ロイター] - インドで製造されている新型コロナウイルスワクチンの大規模な輸出について、少なくとも10月までは再開の見込みが乏しいことが複数の政府関係者の話で分かった。国内でのワクチン接種に振り向けるという。
インドは約1カ月前にワクチン輸出を停止。インドの製薬大手セラム・インスティチュート・オブ・インディア(SII)は6月からの輸出再開を見込んでいたが、再開が後ずれすることにより、ワクチンの公平な分配を目指す国際的な枠組み「COVAX」へのワクチン供給の不足に拍車がかかることになる。
関係者は、国内の感染者数が2500万人を超え、1日当たりの死者数が過去最高を更新していることを受け、現時点ではインド国民によるワクチン接種が優先されると指摘。輸出を控えるという判断について「通知義務はないため、全ての国に正式に伝える必要はないが、一部の国にはインドの現状を考慮してワクチン輸出を期待しないよう要請した」と述べた。
別の関係者は、輸出再開時期は国内の感染第2波をいかに迅速に抑制できるかによって変わる可能性があるとした。
ワクチン輸出を監督するインド外務省はコメント要請に応じていない。
SIIは「インド国民の犠牲の上でワクチンを輸出したことはない。国内のワクチン接種活動を支援するためにあらゆることを実施していく」とした上で、COVAXや各国へのワクチン供給を年内に再開させる意向を示した。