[東京 28日 ロイター] - 日産自動車は28日、2022年3月期の連結業績予想を上方修正した。純損益は600億円の黒字(前期は4486億円の赤字)となる見通し。従来は600億円の赤字を見込んでいた。主力の北米市場での販売が回復していることや為替の円安傾向も収益を押し上げ、3年ぶりの最終黒字となる。
今期の営業損益は従来予想のゼロから1500億円の黒字(前期は1506億円の赤字)に引き上げた。修正後の営業損益予想は、アナリスト21人による事前の市場予想(IBESのコンセンサス予想、1125億円の黒字)を上回った。
今期の売上高予想は24%増の9兆7500億円に上方修正した。従来予想は15.7%増の9兆1000億円だった。
内田誠社長は会見で、半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大の影響などのリスクはあるものの、経営再建は「着実に進んでいる」と説明。業績予想を引き上げた理由について「米国(販売)が非常に好転してきている。為替も良い形になっている」と述べた。通期の営業利益率目標の2%についても「達成できると考えている」と強調した。4─6月期は3.8%だった。
足元の円安基調を受け、通期の前提為替レートは1ドル=108.4円(従来は105円)、1ユーロ=129円(同120.8円)に見直した。
半導体供給不足による生産への影響は従来通りの想定を維持した。今期に約50万台に影響が出ると見込んでおり、このうち半分は下期に取り戻し、通期で25万台にとどめることを前提としている。
今期の世界販売計画は従来見通しの440万台を据え置いた。