[東京 16日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅続落となった。新型コロナウイルス変異株「デルタ」の感染拡大による景気減速懸念に加え、アフガンの地政学リスク、円高警戒、大雨の景気への影響など懸念材料が重なって、全体的に売り優勢となった。
前週末13日の米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が小幅上昇し、終値ベースの最高値を更新した。もっとも、米ミシガン大学が13日に発表した8月の消費者信頼感指数(速報値)は、約10年ぶりの低水準となっており、デルタ株の感染拡大による景気減速への警戒感が意識されている。
日経平均は安く寄り付いた後、下げ足を速めて一時500円超下落。前場は安値引けとなった。薄商いの中で先物主導で下げが強まったとみられる。後場は一段安で始まった後、持ち直しの動きは弱く、大引けにかけて上値の重さをひきずった。
トヨタ自動車やソニーグループなど主力銘柄がさえない動きとなった。日経平均への寄与度の大きいソフトバンクグループやファーストリテイリングも軟調に推移した。
市場では「ファンダメンタルズ自体はしっかりしており、とりたてて警戒する必要はないのではないか」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用本部長)との声も聞かれた。
前週末に好決算を発表した富士フイルムホールディングス、荏原製作所などが買われた。今回の決算シーズンでは製造業を中心に好調な企業業績が目立っており、時価水準に割安感がある上、株価はレンジの下限に近付いているとして、相場の下げ渋りの可能性も意識されている。
寄り付き前に内閣府が発表した2021年4―6月期実質国内総生産(GDP)1次速報は前期比0.3%増、年率換算で1.3%のプラス成長となったが、相場の反応は限定的だった。
TOPIXは1.61%安で取引を終了。東証1部の売買代金は2兆3230億1700万円だった。東証33業種では、パルプ・紙や倉庫・運輸関連業、サービス業など31業種が下落。上昇したのは海運業と空運業の2業種だった。
東証1部の騰落数は、値上がり196銘柄に対し、値下がりが1944銘柄、変わらずが48銘柄だった。
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終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 27523.19 -453.96 27806.11 27,427.38─27,833.21
TOPIX 1924.98 -31.41 1945.86 1,921.07─1,948.08
東証出来高(万株) 103655.00 東証売買代金(億円) 23230.17