[上海 23日 ロイター] - 中国の電子商取引(EC)大手、京東商城(JDドットコム)が23日に発表した第2・四半期(6月30日まで)決算は市場予想を上回った。今後の業績について、中国当局による規制強化で大きな影響は受けないとの見通しを示した。
同社の香港市場上場株は前場の取引で約10%上昇。時価総額が約100億ドル増加した。
特別項目を除く利益は、米国預託株式(ADS)1株当たり2.90元と、アナリスト予想の2.35元を上回った。
普通株主帰属の純利益は7億9430万元(1億2248万ドル)と、前年同期の164億元(25億3000万ドル)から減少。普通株主帰属の非GAAPベースの純利益は46億元と、59億元から減少した。
純売上高は約26%増の2538億元(391億4000万ドル)。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は2492億7000万元だった。
当局が規制を強化する中でも、第2・四半期のユーザー数の伸びは3200万人と、過去最高となった。物流事業やマーケットプレイス事業も拡大した。
ダイワ・キャピタル・マーケッツのアナリスト、ジョン・チョイ氏は「ユーザー数が大幅に増加したことが主なサプライズだった」とし、今年下期には電子商取引業界の成長鈍化が見込まれるものの、JDについては現在の規制環境の中で事業や支出面で慎重な戦略を取っていることなどから他社よりもポジティブな見方を強めていると述べた。
JDドットコムの電子商取引部門、JDリテールを率いるXu Lei氏は「インターネット業界に対する規制政策の導入は、長期的に健全な発達のために望ましいと考えている」とし、JDは社内で見直しを行い、規制導入で業績が大きな影響を受けることはないとの見方を示した。
中国国家市場監督管理総局(SAMR)は昨年12月、JDドットコムのほか、アリババ・グループ傘下の天猫(Tmall)、唯品会(ビップショップ・ホールディングス)に不正な価格設定があったとして、各50万元の罰金を科した。