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【決算記事情報】科研製薬は22年3月期1Q減益だが通期増益予想据え置き

発行済 2021-08-31 09:53
更新済 2021-08-31 10:06
【決算記事情報】科研製薬は22年3月期1Q減益だが通期増益予想据え置き

 科研製薬<4521>(東1)は整形外科領域・皮膚科領域を主力とする医薬品メーカーである。22年3月期第1四半期は研究開発費増加などで減益だったが、通期増益予想を据え置いた。主力の外用爪白癬治療剤クレナフィンや、20年11月販売開始した原発性腋窩多汗症治療剤エクロックの拡販を推進し、研究開発費の増加などを吸収する見込みとしている。

■整形外科・皮膚科領域が主力の医薬品メーカー

 整形外科領域および皮膚科領域を主力とする医薬品メーカーで、農業薬品、飼料添加物、不動産賃貸(文京グリーンコート関連賃貸)なども展開している。再開発を進めていた科研大阪ビルは21年4月に淀屋橋KAKENビルとして竣工した。

 主力の国内医療用医薬品・医療機器は、外用爪白癬治療剤のクレナフィン、関節機能改善剤のアルツ、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルム、創傷治癒促進剤のフィブラストスプレー、排尿障害改善剤のエブランチル、歯周組織再生剤のリグロス、腰椎椎間板ヘルニア治療剤のヘルニコア、およびジェネリック医薬品である。また、日本初の原発性腋窩多汗症治療剤エクロック(開発コードBBI-4000、米国Brickell Biotechから導入)を20年11月販売開始した。

 中期経営計画2021では持続的成長に向けた基盤の確立を目指し、開発パイプラインの充実、クレナフィン(海外展開)および新製品(海外展開、適応拡大)の価値最大化、営業基盤の強化・効率化、生産性向上のための人材育成・業務改革を推進している。

 外用爪白癬治療剤クレナフィンは14年9月に国内で販売開始した。海外展開については米国、カナダ、韓国、台湾、香港・マカオにおいて、それぞれの導出先企業がJubliaの商品名で販売している。中国では開発・販売権を供与(19年2月)しているAIM(中国天津市)が21年3月に承認申請を行っている。さらに21年7月にはスペインのAlmirall社と、欧州における独占的ライセンス実施許諾および供給契約を締結した。

 なお21年1月には、ブロックチェーン技術を活用したデータプラットフォーム事業で医療・ヘルスケア領域への展開を目指すジーネックス(マネックスグループの関係会社)に出資して業務提携した。21年2月には、持田製薬が骨粗鬆症治療剤として販売しているテリパラチドBS皮下注キット「モチダ」について、日本国内におけるコ・プロモーション契約を締結した。

■開発パイプライン

 22年3月期第1四半期末時点の主要開発パイプラインの状況は、熱傷焼痂除去剤KMW-1(メディウンド社から導入、海外製品名NexoBrid)が21年6月承認申請済、アタマジラミ症を適応症とするKAR(イベルメクチン)(アーバー社から導入、海外製品名Sklice)が第3相準備中、爪白癬症を適応症とするKP-607(自社創薬)が第2相段階、原発性腋窩多汗症治療剤エクロックの適用拡大で原発性掌蹠多汗症を適応症とするBBI-4000が第1相段階である。

 また提携先が治験中の案件として、レナバサム(新規の経口低分子化合物、19年1月に米国コーバス社から導入)が、コーバス社が全身性強皮症を適応症として国際共同第3相を実施して今後の開発方針を検討中、皮膚筋炎を適応症として国際共同第3相を実施して結果解析中である。

 21年1月には、がん領域に特化したバイオ医薬品会社のニューマブ社(スイス)と、アトピー性皮膚炎を対象とする新規多重異性抗体医薬候補物質NM26―2198に関して、日本およびアジアでの開発・事業化のライセンスおよび共同開発契約を締結した。

■22年3月期1Q減益だが通期増益予想据え置き

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比5.6%増の792億円、営業利益が5.7%増の188億円、経常利益が5.4%増の192億円、親会社株主帰属当期純利益が4.4%増の140億円としている。配当予想は21年3月期と同額の150円(第2四半期末75円、期末75円)である。

 主要医薬品の売上高計画はクレナフィンが8.4%増収、アルツが1.0%減収、セプラフィルムが6.3%増収、フィブラストスプレーが0.4%増収、エブランチルが0.9%減収、リグロスが9.8%増収、ヘルコニアが12.0%増収、ジェネリック医薬品が2.2%減収としている。20年11月販売開始したエクロックの売上高は20億円の計画である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比2.1%増の184億53百万円、営業利益が12.1%減の44億21百万円、経常利益が11.2%減の46億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が12.0%減の33億62百万円だった。

 売上面では薬価改定の影響があったが、新型コロナ影響が和らぎ、前年の医療機関受診抑制の反動などで増収だった。利益面は研究開発費の増加(18.6%増の18億65百万円)などで減益だった。なお収益認識に関する企業会計基準第29号適用による利益への影響は軽微としている。

 主要医薬品の売上高はクレナフィンが1.4%減収、アルツが11.4%増収、セプラフィルムが2.2%減収、フィブラストスプレーが2.4%増収、エブランチルが3.0%増収、リグロスが50.4%増収、ヘルコニアが33.8%増収、ジェネリック医薬品が8.0%増収だった。エクロックの売上高は2億94百万円だった。

 通期の増益予想は据え置いた。医療機関への受診抑制が段階的に回復することを想定し、クレナフィンやエクロックの拡販を推進して、研究開発費の増加(39.5%増の94億円の計画)を吸収する見込みとしている。通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.3%、営業利益が23.5%、経常利益が24.3%、純利益が24.0%と概ね順調である。

 なお自己株式取得(上限50万株・25億円、取得期間21年5月10日~21年12月24日)については、8月23日時点で累計取得株式総数が50万株となって終了した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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