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KeyHolderは調整一巡、21年12月期は再上振れの可能性

発行済 2021-09-27 08:18
更新済 2021-09-27 08:35
KeyHolderは調整一巡、21年12月期は再上振れの可能性

 KeyHolder<4712>(JQ)は総合エンターテインメント事業を展開し、映像コンテンツ業界におけるコンテンツサプライヤーおよびコンテンツホルダーとしての成長を目指している。21年12月期は成長加速に向けた先行投資で減益予想(8月12日に上方修正、従来予想に対して減益幅縮小見込み)だが、総合エンターテインメント事業が好調であり、さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益改善基調を期待したい。株価は上値を切り下げる形で軟調だが、ほぼ底値圏だろう。調整一巡して出直りを期待したい。

■事業ポートフォリオ再編して総合エンターテインメント事業が主力

 17年10月に旧アドアーズが持株会社に移行して商号をKeyHolderに変更し、M&Aも活用して事業ポートフォリオを再編した。

 従来の主力だったアミューズメント施設運営事業と不動産事業・商業施設建築事業をグループアウトした一方で、20年8月に映像コンテンツやライブコンサートなどのトータルプロデュース事業を行うノース・リバーを連結子会社化、アイドルグループ「乃木坂46」を運営する芸能プロダクションの乃木坂46合同会社(ノース・リバーが持分50%保有)を持分法適用関連会社化した。

 現在は、アイドルグループ「SKE48」や「乃木坂46」などの管理・運営を行う総合エンターテインメント事業(ライブ・エンタメ部門、スポーツ部門、スクール部門、デジタル・コンテンツ部門)を主力として、バラエティ番組・テレビドラマ・映画製作などを行う映像制作事業、大手CVSチェーンにおける販促企画を提供する広告代理店事業を展開している。

 20年12月期末時点の事業体制・主要グループ会社は、アイドルグループ「SKE48」マネジメント等のゼスト、トータルプロデュース事業のノース・リバー、アイドルグループ「乃木坂46」運営の乃木坂46合同会社(持分法適用関連会社)、イベント企画・運営やモデルマネジメント等のホールワールドメディア(角川春樹事務所と合弁)、広告代理店事業やデジタル・コンテンツ事業のallfuz、デジタル広告事業やカラーコンタクトレンズ販売のFA Project、テレビ番組など映像制作事業のUNITED PRODUCTIONS、映像制作関連クリエイター・スタッフ派遣のワイゼンラージなどである。

 なお20年12月には、親会社のJトラスト<8508>が保有する当社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡して、Jトラストの持分法適用関連会社となった。また21年3月には本社を移転するとともに、グループ各社の本社を集約してコストや業務の効率化を図っている。

■エージェント構想&ファンクラブプラットフォーム

 総合エンターテインメント事業では、中期展望として「エージェント構想&ファンクラブプラットフォーム」を掲げている。

 20年12月には、第一興商<7458>と資本業務提携(第一興商を割当先とする新株式発行、コンテンツ・マネジメント・ライツ・出版・新サービス関連での業務提携)、および韓国大手芸能事務所エスエム・エンタテインメントの日本法人SMEJの子会社SMEJ Plusと資本業務提携(SMEJ Plusを割当先とする新株式発行、ファンクラブ関連・新規ファンビジネス関連での業務提携)した。

 コンテンツ開発から総合的なマネタイズまでをカバーする体制となり、映像コンテンツ業界におけるコンテンツサプライヤーおよびコンテンツホルダーとして、コンテンツ(アーティスト、タレント、プロスポーツ選手など)の拡充、グループリソースを活用した展開をサポートするためのエージェント機能の強化、媒体・モデルを活用した情報発信などを推進し、グループシナジーによって成長を目指す方針だ。

 21年2月には子会社のallfuzが、フォーサイド<2330>の子会社であるフォーサイドメディアから映像制作事業を譲り受けて事業開始した。

■21年12月期は再上振れの可能性

 21年12月期の連結業績予想(IFRS、8月12日に上方修正)は売上収益が20年12月期比49.5%増の160億円、営業利益が12.8%減の14億円、親会社株主帰属当期純利益が22.4%減の10億円としている。配当予想は据え置いて20年12月期と同額の10円(期末一括)としている。

 第2四半期累計は、売上収益が前年同期比2.6倍の78億42百万円、営業利益が5億35百万円の黒字(前年同期は6億44百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が3億83百万円の黒字(同5億27百万円の赤字)だった。

 前年の営業自粛に対して新型コロナ影響が和らぎ、総合エンターテインメント事業の好調で大幅増収となり、黒字転換した。セグメント別の利益は、総合エンターテインメント事業が7億38百万円(前年同期は3億90百万円の赤字)、映像制作事業が2.1倍の1億21百万円、広告代理店事業が73百万円(同84百万円の赤字)、その他が3百万円(同28百万円の赤字)だった。なお乃木坂46合同会社に係る持分法投資利益7億07百万円を計上した。第1四半期の金融収益に計上した投資有価証券評価益3億22百万円については、第2四半期においては市場価格が下落したため評価益が3億22百万円減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上収益37億06百万円で営業利益6億97百万円の黒字、第2四半期は売上収益41億36百万円で営業利益1億62百万円の赤字だった。

 第2四半期累計の好調を受けて通期予想を上方修正した。総合エンターテインメント事業において、子会社のノース・リバーの第2四半期累計業績が想定以上となり、持分法適用関連会社の乃木坂46合同会社の事業運営も好調に推移している。また映像制作事業で番組制作やドラマ案件の撮影・ロケが順調に推移し、広告代理店事業で新たにデジタル広告を開始したことも寄与する。

 修正後も成長加速に向けた先行投資などを考慮して減益予想だが、従来予想に対して減益幅が縮小する見込みだ。総合エンターテインメント事業が好調であり、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。収益改善基調を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年12月31日時点の1000株(10単元)以上保有株主を対象として実施している。新たな株主優待として「KeyHolder Premium Club」も開始した。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げる形で軟調だが、ほぼ底値圏だろう。調整一巡して出直りを期待したい。9月24日の終値は779円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円71銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS830円38銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約135億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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