[パリ 28日 ロイター] - フランスとギリシャは28日、ギリシャが仏フリゲート艦を約30億ユーロ(35億1000万ドル)で購入する契約を締結した。戦略的軍事協力協定の一環という。
マクロン仏大統領はギリシャのミツォタキス首相と臨んだ会見で、国益を守り、自国の軍事力を増強する際には欧州は甘い考えを捨てるべきだと語った。
オーストラリアが今月、フランスと進めていた潜水艦開発計画を破棄し、米英の支援で原子力潜水艦を配備すると決定したことを受け、フランスは米英豪とかつてないほど深刻な外交危機に直面、従来の同盟関係を見直す契機となっていた。
マクロン氏は28日、この問題に初めて言及し、米国が中国やインド太平洋を重視する政策に転換する中、欧州は国防の自律性を高めるべきだと訴えた。
同氏は会見で「欧州は甘い考えを捨てるべきだ。強国から圧力を受けているとき、われわれはこれに対応し、自衛能力があると示す必要がある」と発言。「これは米国との同盟に置き換わるものではないが、フランスが北大西洋条約機構(NATO)内の欧州の柱として責任を担い、国家を自ら守る必要があるとの結論に至った」と述べた。
ギリシャ政府筋がロイターに明らかにしたところでは、今回の契約にはフランスからフリゲート艦3隻の購入と、もう1隻を購入するオプションが含まれる。
ギリシャは今年既に仏ダッソー製の戦闘機24機を発注している。
マクロン氏は、今回の契約で東地中海の緊張が高まるかと問われると、契約は特定の国を標的にしたものではないと述べた上で、ギリシャは欧州連合(EU)の外縁に位置する国として守られる必要があると述べた。東地中海では、トルコとギリシャがエネルギー資源を巡り、激しく対立している。
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