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富士ソフト Research Memo(6):顧客の価値向上に資する多彩なICTサービス・プロダクトを提供(3)

発行済 2021-10-04 15:26
更新済 2021-10-04 15:31
© Reuters.
■富士ソフト (T:9749)の事業内容

4. 底入れ模索が続くアウトソーシング
アウトソーシングは、データセンターやシステム運用・保守等のサービスを提供しており、売上高構成比は5.1%(2021年12月期上期)、営業利益構成比は5.7%(同)、セグメント利益率は7.4%(同)である。
2021年12月期上期の売上高は前年同期比4.4%減、営業利益は同2.5%増、セグメント利益率は同0.5ポイント上昇、受注高は同2.4%増、期末の受注残高は前年同期末比5.4%減となっている。


事業構造改革等により利益率は2018年12月期から連続して全社平均を上回るものの、近年の減収傾向は流通・サービス向け継続案件の減少によるところが大きく、他社クラウドサービスとの競争が厳しいデータセンター事業については、引き続き底入れ模索局面にあると考える。


5. ノンコア領域ながら高収益のファシリティ事業
保有するオフィスビルの賃貸を収入とするファシリティ事業の売上高構成比は0.9%(2021年12月期上期)、営業利益構成比は4.7%(同)で、セグメント利益率は32.5%(同)と極めて高い。
2021年12月期上期の実績としては、前年同期比5.7%減収、同11.4%減益、セグメント利益率は同2.1ポイント低下となった。


同社は基本的に自社活用目的で不動産を保有しており、ファシリティ事業は空きスペースが有効活用された結果と位置づけでよい。
よって、その業績変動に一喜一憂する必要はないわけだが、セグメント利益率は全社平均を大きく上回っており、ノンコア領域ながら利益水準の下支え役を安定的に果たしている。


有価証券報告書で確認できるファシリティ事業向け保有不動産は、横浜本社(土地取得年:2000年、土地建物等簿価:11,135百万円)、秋葉原オフィス(同:2005年、同30,594百万円)、錦糸町オフィス(同:2000年、同6,065百万円)、両国オフィス(同:2018年、同1,760百万円)の4棟である。


6. その他では富士ソフトサービスビューロが厳しい展開
その他の売上高構成比は3.5%(2021年12月期上期)、営業利益構成比は0.4%(同)である。
2021年12月期上期は前年同期比12.4%減収、同79.7%減益となったが、セグメント利益率は同2.8ポイント低下の0.8%となった。
同横ばいを確保した。


区分内の主軸は子会社の富士ソフトサービスビューロ (T:6188)(以下、サービスビューロ)が手掛けるBPOサービス事業やコンタクトセンター事業であり、今上期は地方自治体向けのサービスが伸びたものの、民間向けでのコロナ禍による営業活動の停滞や官公庁向けコールセンターサービスの一部終了、異業種からの市場参入を背景とする価格競争の影響があったことから、厳しい展開を余儀なくされた。


7. 「AIS-CRM」領域での取り組みを事業戦略に、新製品・新事業の創出に挑戦
前述のとおり、同社は「AIS-CRM」を重点技術分野に掲げ、新製品・新事業のシーズ創出や既存事業の付加価値向上に注力している。
一見、流行り言葉の羅列のようだが、「AIS-CRM」戦略の上位概念には同社のコアコンピタンスが据えられており、その取り組み成果は順調に実りつつある。
特にクラウド領域が好調であり、「SIMフリー向けモバイルルータ」もヒットプロダクトへと成長した。
詳細な開示はないものの、「AIS-CRM」領域全体が単体売上高に占める割合は既に過半に至っているもようである。


同社は2020年11月に(株)レッドチーム・テクノロジーズとの協業(販売店契約の締結、2020年11月発表)を受けて、インターネットサービスを提供する金融機関等の企業向けに、クラウドソースペンテストプラットフォーム「Synack」を活用した新しいセキュリティサービス(脆弱性診断)の提供を開始したのに続き、2021年6月にはサイバーセキュリティの国内リーディングカンパニーである(株)FFRIセキュリティとサイバーセキュリティ分野における協業の強化について合意している。
一連の動きは、「AIS-CRM」領域におけるSecurity分野を強化する取り組みとして注目される。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)


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