[ベオグラード 15日 ロイター] - ロシアで新型コロナウイルス感染者数と死者数が過去最高を更新する中、ファイザー製のワクチンを求めてセルビアを訪れるロシア人が増えている。
ロシアで開発されたコロナワクチン「スプートニクⅤ」は、70カ国以上で使用されているものの、世界保健機関(WHO)はまだ正式承認していない。一方、ロシア国内では外国製ワクチンは承認されていない。
バルカン諸国がワクチン不足に悩む中、セルビアはさまざななルートからワクチン調達に成功し、ワクチン接種のためにセルビアを訪れる渡航者が増加している。
セルビア国内ではこれまで、ファイザー製、中国のシノファーム製、アストラゼネカ製ワクチンのほか、ロシアのスプートニクⅤが承認されているが、反ワクチン感情が強く、これまでに接種を完了した国民は約50%にとどまる。これに対し、ワクチン接種のために同国を訪れた外国人は16万人に上っている。
ベオグラードの旅行代理店は、パンデミック(世界的大流行)で影響を受けた観光業者らが「ワクチン観光」の恩恵を受けようとしていると述べ、特にロシア人のビジネスマンが多いと話した。
ロシアからベオグラードを訪れ、3─4日間滞在する費用は500─700ドルだという。