[19日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して取引を終えた。ハイテク株やヘルスケア株への買いが指数を押し上げた。投資家は堅調な四半期決算に期待を寄せているもようだ。
S&P総合500種は5営業日続伸、9月初旬に付けた終値での最高値までわずか0.4%の水準に迫った。ダウ工業株30種は8月半ばに付けた最高値を約0.5%下回る水準となった。
2021年の調整後1株利益予想を上方修正したジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が2.3%値上がりし、S&Pを押し上げた。
保険のトラベラーズも四半期利益が予想を上回り、1.6%高となった。
アップル、フェイスブック、マイクロソフトも軒並み上昇した。
ただ、インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は、決算発表シーズンの2週目で「非常にサンプル数が少ない」として、市場が後退する可能性に懸念を示した。
同氏は、投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX)が短期間に神経質な状態から満足した状態へとシフトしていると指摘。「S&Pが最高値をあと1回更新した後、企業決算次第では押し戻されるというのが最も可能性の高いシナリオだ」と語った。
リフィニティブのデータによると、S&P500種採用企業の第3・四半期利益は、前年同期比32.4%増加すると予想されている。
ホッジス・ファンズのポートフォリオマネジャー、エリック・マーシャル氏は「投資家は、価格決定力のほか、企業が労働力不足やコスト上昇圧力にどのように対処しているかに注目するだろう」と指摘した。
S&Pの主要11セクターでは10セクターが上昇。前日に0.7%下落したヘルスケアが1.3%高とセクターの上げを主導した。前日約1%下げていた公益事業も1.26%反発した。
ネットフリックスは0.2%高で終了後、時間外取引でさらに上昇。韓国のホラー番組「イカゲーム」人気が呼び水となり、引け後に発表した第3・四半期(7─9月期)の契約件数が438万件増の2億1360万件と、予想を超えて増加した。
電気自動車(EV)大手テスラは0.7%安で終了。同社は20日に決算を発表する予定。中国での業績が注目される。
日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は1%下落。コモディティー価格や運賃の上昇に対応するため、米国内の男性用化粧品やオーラルケア製品、スキンケア製品の一部を値上げすると発表した。
一方、小売り大手ウォルマートは2%上昇。ゴールドマン・サックスの「アメリカズ・コンビクション・リスト」に追加されたことが好感された。
メルクとファイザーはライバル会社の新型コロナウイルス治療薬に関する研究結果公表を受けて買われ、ヘルスケア株の上昇に寄与した。
ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.51対1の比率で上回った。ナスダックでは1.69対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は95億株。直近20営業日の平均は102億9000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 35457.31 +198.70 +0.56 35325.37 35462.68 35290.12
前営業日終値 35258.61
ナスダック総合 15129.09 +107.28 +0.71 15073.13 15137.85 15049.73
前営業日終値 15021.81
S&P総合500種 4519.63 +33.17 +0.74 4497.34 4520.40 4496.41
前営業日終値 4486.46
ダウ輸送株20種 15304.48 +21.96 +0.14
ダウ公共株15種 902.25 +12.77 +1.44
フィラデルフィア半導体 3381.45 +42.68 +1.28
VIX指数 15.70 -0.61 -3.74
S&P一般消費財 1516.53 -4.37 -0.29
S&P素材 530.52 +2.60 +0.49
S&P工業 875.68 +4.96 +0.57
S&P主要消費財 731.84 +0.41 +0.06
S&P金融 663.42 +6.50 +0.99
S&P不動産 290.44 +1.15 +0.40
S&Pエネルギー 439.87 +4.98 +1.14
S&Pヘルスケア 1500.23 +19.40 +1.31
S&P通信サービス 275.41 +2.19 +0.80
S&P情報技術 2788.02 +26.83 +0.97
S&P公益事業 334.76 +4.17 +1.26
NYSE出来高 7.28億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 29415 + 155 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 29390 + 130 大阪比