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クリナップは戻り試す、22年3月期増収増益予想

発行済 2021-10-20 08:26
更新済 2021-10-20 08:35
© Reuters.  クリナップは戻り試す、22年3月期増収増益予想

© Reuters. クリナップは戻り試す、22年3月期増収増益予想

 クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチンの大手でシステムバスルームなども展開している。22年3月期は需要の緩やかな回復や原価低減効果などで増収増益予想としている。第1四半期の進捗率が高水準であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して9月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■システムキッチンの大手、システムバスルームも展開

 21年10月5日に創業72周年を迎えた。システムキッチンの大手で、厨房部門(システムキッチン)および浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)を展開している。21年3月期部門別売上構成比は厨房部門が79%、浴槽・洗面部門が14%、その他が7%だった。

 中高級品に強みを持ち、厨房部門はステンレスキャビネットキッチンのセントロ、ステディア、システムキッチンのラクエラ、コンパクトキッチンのコルティ、浴槽・洗面部門はバスルームのアクリアバス、ユアシス、洗面化粧台のティアリスなどを主力製品としている。

 21年10月には、ニューノーマル時代の新生活提案キッチン「HIROMA」の本格販売を開始した。キッチンの要素を極力シンプルにしてダイニングテーブルと融合することで、新しいLDKの在り方や暮らしを提案するキッチンテーブルである。

 中高級品市場での更なる競争力強化に向けて、20年6月にKITCHEN TOWN YOKOHAMA(横浜市みなとみらい)をオープンし、旗艦ショールーム全国4拠点(東京、横浜、名古屋、大阪)体制とした。21年10月には福井ショールーム(福井県福井市)を移転オープンした。

 販売ルートは工務店の会員登録制組織「水まわり工房」加盟店を主力としている。21年3月期の販売ルート別売上構成比(単体)は、一般ルート(工務店・リフォーム)が80%、ハウスメーカーが15%、直需(マンション)が5%だった。収益面では新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい。

■サステナブルビジョンは「人と暮らしの未来を拓く」

 新中期経営計画(21~23年度)では、目標値に最終年度24年3月期の売上高1200億円、営業利益50億円、営業利益率4.2%を掲げている。さらにサステナブルビジョンとして「人と暮らしの未来を拓く」を掲げて、長期ビジョンの目標は30年度に、20年度比で売上高30%増、販管費比率30%以下、営業利益3.5倍とした。

 重点施策としては、既存事業の需要開拓と低収益からの脱却、新規事業による新たな顧客の創造、ESG・SDGs視点での経営基盤の強化を推進する。

 既存事業に関しては、水回り3品(キッチン、浴室、洗面)事業での安定した収益確保を目的として中高級品の販売力強化、システムバス販売の底上げ、リフォーム需要獲得、水回り3品で培ったノウハウを活かしたサービス・物流分野での外販ビジネスの拡大、生産変革による原価低減、間接業務の効率化などで利益改善を推進する。

 なお福島県いわき市に生産拠点を構えている。東日本大震災の翌年の12年12月に公益財団法人クリナップ財団を設立し、福島県の復興支援を目的として活動している。21年7月には21年度の奨学生50名を決定した。13年度に開始した奨学支援事業は震災復興支援に有用な人材育成を目指し、9年間で累計奨学生360名となった。

■22年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想は、売上高が21年3月期比5.6%増の1100億円、営業利益が7.1%増の28億円、経常利益が6.8%増の29億円、親会社株主帰属当期純利益が3.1%増の18億円としている。配当予想は20年3月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)である。

 新型コロナ影響が不透明だが、需要の緩やかな回復や原価低減効果などで増収増益予想としている。積極的な営業活動、生産設備の整備、ショールームの改装、情報基盤整備への投資、原価低減、全社的なコスト削減を推進するとしている。

 第1四半期(収益認識に関する企業会計基準第29号適用)は、売上高が前年同期比22.1%増の269億01百万円、営業利益が10億90百万円(前年同期は5億07百万円の赤字)、経常利益が12億35百万円(同4億34百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が7億52百万円(同4億76百万円の赤字)だった。

 なお収益認識に関する企業会計基準第29号適用の影響で、売上高が1億46百万円増加、売上原価が2億36百万円増加、販管費が4百万円増加、営業利益が93百万円減少、営業外費用が1億04百万円減少、経常利益が10百万円増加した。

 売上面では新型コロナ影響が和らぎ、ショールームにおける販売強化などで大幅増収だった。事業別売上高は厨房部門が23.3%増の210億56百万円、浴槽・洗面部門が17.0%増の39億75百万円だった。利益面は原価低減効果も寄与して黒字転換した。

 通期連結業績予想は据え置いたが、第1四半期の進捗率は売上高が24.5%、営業利益が38.9%と高水準である。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化も影響して9月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。10月19日の終値は555円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS48円79銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想20円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1430円20銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約208億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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