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松田産業は07年の高値目指す、22年3月期は再上振れの可能性

発行済 2021-10-25 08:31
更新済 2021-10-25 09:05
松田産業は07年の高値目指す、22年3月期は再上振れの可能性

 松田産業<7456>(東1)は貴金属関連事業および食品関連事業を展開し、中期成長に向けて収益基盤強化策を推進している。22年3月期は貴金属相場の上昇や食品関連の市況好転などで大幅増益予想(8月11日に第2四半期累計・通期予想を上方修正)としている。さらに再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。株価は急伸して07年の上場来高値に接近している。目先的には利益確定売りが優勢になる可能性もあるが、自律調整を交えながら07年の高値を目指す展開を期待したい。

■貴金属リサイクルや農林水産品販売を展開

 貴金属リサイクル(貴金属事業)や産業廃棄物処理(環境事業)などの貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。21年3月期の売上高構成比は貴金属関連事業が66%、食品関連事業が34%、営業利益構成比は貴金属関連事業が85%、食品関連事業が15%だった。

 貴金属リサイクルは、金・銀・白金族などの貴金属製品やめっき用化成品をエレクトロニクス業界へ販売するとともに、半導体や電子部品を製造する過程で規格外となった部品(スペックアウト品)などの貴金属含有スクラップを国内外のメーカーから回収・処理・製錬することで、貴金属をリサイクルする。粉砕・焼成する前処理工程から、貴金属を分離・抽出する製錬・精製工程までを一貫して行い、得られた高純度の金・銀・プラチナ・パラジウムなどから地金、各種加工品、化成品を製造する。海外はベトナム、タイ、フィリピン、シンガポール、中国・蘇州、マレーシア、台湾に展開している。

 産業廃棄物処理は、写真の感光材料からの銀の回収、廃酸や廃アルカリの無害化中間処理など、産業廃棄物の回収・処理を行っている。無害化処理技術に強みを持ち、全国47都道府県での収集運搬業許可を得ている。また太平洋セメントと共同でセメント製造設備を利用した大型リチウムイオン電池リサイクル事業を展開している。

 21年4月には、電池サプライチェーン(電池の材料、部品およびその原料に関わる産業)の健全な発展や国際競争力強化を推進することを目的として新たに設立された一般社団法人電池サプライチェーン協議会に正会員として参加した。設立時点の会員は関連企業約50社である。

 21年5月には子会社のゼロ・ジャパンが低濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物の無害化処理に関して環境省の大臣認定を受けた。21年4月には韓国に現地法人の韓国松田産業を設立(21年6月営業開始)した。

 食品関連事業はグローバルネットワークで食材(水産品、畜産品、農産品)の調達・販売を展開し、新たな販売市場の開拓および現地における仕入強化を推進している。海外は中国、タイ、ベトナムに展開し、19年10月には中華民国(台湾)市場において新規展開を開始した。

 収益面では、半導体・電子部品などエレクトロニクス業界の生産動向、貴金属および食品市況の影響を受けやすい特性がある。

■事業領域拡大やグローバル展開を加速

 中期経営計画(19年度~21年度)では目標値、22年3月期売上高2200億円、営業利益55億円、営業利益率2.5%、ROE6.0%を掲げている。

 貴金属関連事業では、基幹事業の基盤強化、資源循環ビジネスをはじめとする顧客価値提案強化と営業体制整備、自動車関連市場・化学関連市場・海外市場の拡大、E-スクラップ・高機能材料・LiBリサイクル等の事業領域拡大を推進する。食品関連事業では、基幹事業の基盤強化、強い商品づくりのための開発・品質保証・生産管理支援機能強化、顧客ニーズに応じた商品ラインナップ拡大、グローバル展開加速を推進する。

 なお20年11月に固定資産取得(北九州市、土地、21年10月1日引き渡し予定)を発表している。中長期的な業容拡大に備えて、物流・生産拠点の充実に向けた拠点整備を図る。また21年10月には埼玉150周年記念事業キャンペーンの賞品などとして「埼玉150周年記念金箔図書カード」(総数200枚)を贈呈した。

■22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号適用だが利益への影響は軽微)(8月11日に第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正)は、売上高が21年3月期比8.0%増の2500億円、営業利益が33.1%増の107億円、経常利益が32.6%増の111億円、親会社株主帰属当期純利益が26.3%増の77億円としている。配当予想は据え置いて4円増配の42円(第2四半期末21円、期末21円)としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比31.0%増の701億20百万円、営業利益が2.6倍の41億89百万円、経常利益が2.6倍の43億11百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.7倍の29億87百万円だった。

 貴金属関連の数量増加や貴金属相場上昇が牽引し、食品関連の市況好転も寄与して大幅増収増益だった。貴金属関連事業は47.2%増収で2.6倍増益だった。エレクトロニクス業界の生産活動が回復し、貴金属リサイクル取扱量および産業廃棄物処理受託が増加した。金製品・銀製品の販売量増加に加えて、貴金属相場の上昇も寄与した。食品関連事業は3.2%増収で2.6倍増益だった。水産品、畜産品、農産品の販売量が増加した。

 第1四半期の好調を受けて第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正したが、通期予想の上方修正幅(売上高200億円、営業利益25億円、経常利益25億円、当期純利益16億円)は、第2四半期累計の上方修正幅を上乗せして下期の計画を据え置いた形である。修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が28.0%、営業利益が39.1%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の継続1年以上保有株主が対象

 株主優待制度は毎年3月31日現在、1単元(100株)以上を継続1年以上保有する国内在住株主を対象として株主優待品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は07年の高値目指す

 株価は急伸して07年の上場来高値に接近している。目先的には利益確定売りが優勢になる可能性もあるが、自律調整を交えながら07年の高値を目指す展開を期待したい。10月22日の終値は3455円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS295円17銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2510円64銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約999億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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