[メルボルン 28日 ロイター] - 豪鉄鉱石大手フォーテスキュー・メタルズ・グループのエリザベス・ゲインズ最高経営責任者(CEO)は28日、来年初めの北京冬季五輪を控えた中国の汚染対策によって、鉄鉱石価格はボラティリティーの高い状況が続く可能性があるとの見方を示した。
メディア向け電話会見で「青空を確保しようとする中国の一般的な決意は誰もが認識している。これにより、高いボラティリティーが継続する可能性を予想する」と語った。
その上で、顧客から長期契約の変更を示唆する動きは見られていないとした。
鉄鉱石価格は5月に付けた過去最高値から50%近く下落している。
中国は前回の「青空政策」では大気汚染対策として鉄鋼生産を抑制している。
28日発表した第1・四半期(7─9月)期の鉄鉱石出荷は、前年比3%増の4560万トンとなり、過去最高を記録した。
RBCキャピタル・マーケッツの予想(4470万トン)を上回った。
1ウェットメトリックトン(WMT)当たりの直接コストは15.25ドルで、前四半期とほぼ同水準。前年同期からは20%増加した。
アナリストは、労働市場の逼迫を踏まえると、フォーテスキューはコストをうまく抑えていると指摘した。
競合のリオ・ティントとBHPは今月公表した生産報告で労働不足に言及している。