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coly Research Memo(4):高いヒット率を武器にさらなる成長を画策

発行済 2021-11-17 16:04
更新済 2021-11-17 16:16
© Reuters.
■今後の見通し

1. 2022年1月期の業績見通し
2022年1月期の業績予想について、売上高で7,689百万円(前期比21.4%増)、営業利益で2,203百万円(同6.4%増)、経常利益で2,174百万円(同5.0%増)、当期純利益で1,373百万円(同2.2%減)を予想している。
coly (T:4175)は主要タイトルの周年イベントが下期に集中しているため、業績は下期偏重となっている。
「スタンドマイヒーローズ」が第3四半期に周年を迎えるほか、2021年1月期からは成長著しい新興主力タイトル「魔法使いの約束」が第4四半期に周年を迎えることから、下期においてはとりわけ第4四半期で多額の収益を計上するトレンドとなっている。
既述のとおり、上期において各種施策を推進したことから「魔法使いの約束」の市場の開拓・浸透・醸成はさらに進んだものと弊社は見ており、同社業績への寄与について注目している。
また、海外展開の進捗具合によっても業績が拡大する余地があるなどアップサイドの材料が豊富な点は今後も株式市場での注目度向上につながると弊社は予想する。
なお、費用面では先行投資としてWeb広告を中心とした広告宣伝費486百万円、新規作品における研究開発費651百万円を計画している。


同社は2021年1月期に営業利益が20億円まで急成長し、2022年1月期の予想では売上高も76億円の大台に到達する見通しだ。
足元の成長ペースに加え、IPOを通じて得た豊富な資金による投資を踏まえると、売上高100億円・営業利益30億円への到達もそう遠くないだろう。
同社は、今後業績を拡大させるなかでMDの収益割合の引き上げを想定している。
MDの収益はゲームの収益よりも安定的であると考えられ、投資家視点では各々が業績を見通すなかで収益源は低リスクであると見られる。
その結果、MDの収益割合が引き上がるに従って投資家の抱く「買い安心感」は高まり続けると弊社は予想する。


2. 今後の新規ゲームとリニューアル展開
同社は運営作品のアップデートによるリニューアルに加え、新規作品を複数開発中である。
また、既存タイトルのコンシューマーゲームへの展開も検討中である。


同社は独自ノウハウをベースとした「10年以上続く作品づくり」を掲げている。
結果として、打席に立つ回数が少なくても高い打率のもと十分な収益を上げていくことが可能となっている。
その点で「流行り廃りが激しい」「開発費に対するリターン(ROI)が低い」といったゲーム事業の一般的なリスク要素が薄い傾向にある。
これは副次的にMDの収益の長期継続性・成長性につながっているほか、会社全体で見た際の高収益体質にも寄与している。
また、同社は今後女性向けだけでなく男性向けコンテンツなどへの展開も検討しており、「ヒット率が高い」という点は、今後の同社の成長を支える極めて大きな要因になると弊社は判断する。


3. 今後のMD展開
同社は既述のとおり、自社IPを中心にグッズの企画・制作・販売などを展開している。
そのほか、アニメやリアルイベント、舞台といったように、キャラクターが生きる分野での活動を幅広く展開している。
直近では、「スタンドマイヒーローズ」において2021年8月によしもと芸人とのコラボイベントを開催した。
こういったMDでの取り組みは自社監修で高いクオリティーを実現させているほか、ゲーム内の施策と連動させることでより効果を引き上げている。
このような強み・特徴を背景に、MDの収益は年々着実に増えてきている。
IPOを通じて得た資金のもと、同社のIPは今後も拡大することが見込まれ、それに付随してMDの活動もより活発化されることが予想される。
また、著名なIPを持つ他社が女性向けコンテンツのリリースを計画した際には同社に依頼が来ることも多いなど「女性向けエンターテインメントでのヒット率の高さ」が業界内でも浸透しており、今後の協業等もさらに加速すると弊社は予想する。
さらに緊急事態宣言が解除されたことによるオフラインイベントの解禁により、オンラインでの収益と併せてそちらの収益増も中長期的には期待できる。


4. 強みを生かす協業・M&A
同社は他社との協業やM&Aにも積極的である。
直近では、2021年9月に(株)フジテレビジョンが製作する新作アニメ作品のIPを利用した新規ゲームタイトルの制作・開発に着手したと発表した。
協業によるゲームタイトルのリリース時期は2022年1月期下期以降を予定している。
同社は新興企業でありながら多様な業界の大手企業との取り組みを推進しており、その結果、市場への強い訴求力や実行力が生まれている。
また、M&Aにおいてはアニメーション制作会社やコラボグッズメーカー、飲食店など、幅広い業界での買収を検討している。
業種だけの切り口で見れば多角化経営とあってハイリスクな要素もはらんでいるが、狙いとしてあるのはコア部分にあるIPの多方面でのMD展開であり、この活動についてはこれまでの実績が示すとおり成功確度が高い。
そのため、多角化とはいえM&Aにおけるシナジー創造の見通しは鮮明であり、むしろ買収することで支配権を握る分より成功に向けたあらゆる施策を打ち出しやすくなると考える。
IPOを通じて同社の手元キャッシュは豊富となっており、活発なM&Aを通じた業績拡大についても投資家の期待は高まると弊社は考える。


5. 広告宣伝費のみに依存しない成長性
上記のように、同社は自社IPを起点としてゲームやアニメ、イベント、コラボグッズ販売など、多方面で展開している。
必然的に潜在顧客や既存顧客が目にする機会は増え、サービス展開自体がプロモーションとしても機能しているような状況だ。
加えて、同社はSNS上でのコラボ企画も積極的に推進している。
昨今のマーケティング業界では「アーンドメディア」という括りのもと、消費者やユーザーが情報の起点となるブログやSNSといったメディアが重要視されている。
いわゆる「口コミ」といった領域であり、これはユーザーが作り出すメディアであるため企業主導でのコントロールが難しい。
半面、情報の信頼性の高さから消費者行動に与える影響は大きく、良い情報も悪い情報も短期間で大規模に広まる。
同社はSNSを活用したイベントを通じて新規インストール数の増加やTwitterでのトレンド入りを実現させており、口コミを作る需要(ユーザー)側における評価も非常に高い状況がうかがえる。
こういった「会社側の多様な展開を通じたプロモーション」「市場側の高評価を背景とした口コミ」を要因として、同社は他のモバイルオンラインゲーム開発会社と比較し、広告宣伝費の投下額に依存しない、効率的な売上高成長を図っている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)


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