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日経平均は3日ぶり大幅反落、金利上昇受けたハイテク売りは一過性?

発行済 2021-11-24 12:10
更新済 2021-11-24 12:15
© Reuters.

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 日経平均は3日ぶり大幅反落。
337.38円安の29436.73円(出来高概算6億3630万株)
で前場の取引を終えている。


 週明け22日から国内が祝日だった23日までの米株式市場は、NYダウが17.27ドル高
(+0.05%)、194.55ドル高(+0.54%)と続伸。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の再任が決まったことに伴う先行き不透明感の払しょくが相場を後押しした。
22日は、ナスダック総合指数が日中取引で一時史上最高値を更新する場面があった。
ただ、パウエル議長や副議長に指名されたブレイナード理事が物価対応を優先する姿勢を示すと、早期の利上げ観測が重しとなり、全般引けにかけて急失速。
23日は米長期金利の上昇が続くなか、景気敏感株買い・ハイテク株売りの動きが続いた。
この間、ナスダック総合指数は-1.26%、-0.50%安と続落。


 米国での長期金利上昇やハイテク株安の流れを受け、祝日明けの日経平均は110.66円安の29663.45円でスタート。
寄り付き直後は下げ渋って29700円台でもみ合っていたが、間もなくして失速すると、29500円台まで下げ幅を拡げた。
その後は節目の29500円を意識した底堅さが見られていたが、踏ん張り切れずに前引けにかけて同水準を割り込むと、売りが加速し、下げ幅は300円を超えた。


 個別では、米長期金利の大幅上昇を背景にレーザーテック (T:6920)、アドバンテスト<
6857>、ルネサス (T:6723)などの半導体関連株から、ソニーG (T:6758)、キーエンス (T:6861)、ソフトバンクG (T:9984)などのハイテク株、ベイカレント (T:6532)、エムスリー (T:2413)、ZHD (T:4689)などのグロース(成長)株まで、株価バリュエーションの高い銘柄に広く売りが広がっている。
東証1部の下落率上位には、Sansan (T:4443)やSHIFT (T:3697)、ラクス (T:3923)など高値圏にあるグロース銘柄が並んだ。


 一方、約5年ぶりに1ドル=115円台まで進んだ円安・ドル高を追い風にトヨタ自 (T:7203)、日産自 (T:7201)、三菱自 (T:7211)などの輸送用機器が大幅高。
米長期金利の上昇を受けて三菱UFJ (T:8306)や三井住友 (T:8316)、東京海上 (T:8766)などの金融株も上昇。
バイデン米政権が日本や中国などと協調した石油備蓄放出を発表したものの、規模が大方の予想を下回ったことなどからWTI原油先物価格が大幅反発、これを受けINPEX (T:1605)が急伸、三井物産 (T:8031)、丸紅 (T:8002)、住友鉱 (T:5713)など資源関連株も大幅高となっている。
そのほか、安川電機 (T:6506)がハイテク株安のなか逆行高となっており、キリンHD<
2503>、マネックスG (T:8698)が大きく上昇している。


 セクターではサービス業、情報・通信業、精密機器などが下落率上位となっている一方、鉱業、石油・石炭製品、電気・ガス業などが上昇率上位となっている。
東証1部の値下がり銘柄は全体の61%、対して値上がり銘柄は32%となっている。


 祝日明けの日経平均は売り優勢で、押し目買い意欲が確認されていた29500円をも割り込んだ。
一方、25日移動平均線はまだ割り込んでおらず、目先は同線のサポートが機能するかどうかが注目される。
今後の米国市場動向次第ではあるが、この先、同線を下回らずに反発するようであれば、一段と売りは仕掛けづらい展開となりそうだ。


 物色面では、ハイテク株やグロース株が広く売られるなか、米長期金利の上昇や円安を追い風に輸出関連株や金融株が全体の下支え役になっている。
マザーズ指数は2%
を超える下落率で下げがややきつい。
7-9月期決算発表が終わり、大型株への物色が一巡したことで、直近、業績好調が確認された中小型株に資金が回帰していたが、米長期金利の上昇をきっかけに、利益確定の売りが広がっている。
ただ、連日の急伸劇が話題となっている直近IPOのGRCS (T:9250)が今日も大幅高となっているほか、今日のような地合い下で真っ先に売り込まれても不思議ではない上場来高値圏にあるアスタリスク (T:6522)も堅調な動きとなっている。


 また、今日久々に見られている「景気敏感株・バリュー株買い、ハイテク株・グロース株売り」のような分かりやすい構図がこの先も続くかと問われればどうだろうか。
FRB人事の発表をきっかけに長期金利が上昇したことで物色に変化があったわけだが、直近、「ハイテク株買い、景気敏感株売り」が続いていたことを踏まえれば、利益確定の口実とされたにすぎず、現時点では調整の域を出ていないだろう。


 FRB議長人事において、相対的によりハト派色の強いブレイナード氏が選ばれなかったことで、金融引き締めが加速するとの見方が、長期金利上昇やハイテク株売りにつながったわけだが、そもそもパウエル氏はFRB内でかなりハト派寄りだ。
また、現任のパウエル氏の続投が決まったことは、むしろ、現行路線の維持が想定され、先行き不透明感の払しょくなどポジティブな面が強いと考えられる。
結局、人事前後において特段の大きな変化があったわけでもない。


 また、19日に1.55%にあった米10年国債利回りは23日に1.67%まで上昇した一方、先週、2.7%台での推移が続いていた米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、23日に2.62%まで低下した。
期待インフレ率の低下を素直に捉えるならば、インフレ対応の進展が長期的にはインフレ加速を抑え、長期金利の上昇も抑えると債券市場が判断していると解釈できる。
結果的に、総合的にみて今週に入ってからの速いペースでの金利上昇が続くことは想定しにくい。
金利動向には注意を払いつつも、直近好調だったハイテク株やグロース株のトレンドは当面継続するとみておきたい。
実際、上場来高値圏での推移が続いていた東エレク (T:8035)の今日の下落率は軽微で、押し目買い意欲の強さが窺える。


 上海総合指数や香港ハンセン指数などアジア市況は小安い一方、時間外の米株価指数先物は下げ渋って大きく動いていない。
また、前日のナスダック総合指数は続落も、長い下ヒゲを付け、下げ渋っている。
後場の日経平均は弱含み継続も、ハイテク株の押し目買いや29500円回復に向けた底堅さが見られるかどうかに注目したい。

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