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サインポスト Research Memo(4):課題解決に向けて新たなソリューションを具現化するイノベーション事業

発行済 2021-11-25 15:14
更新済 2021-11-25 15:16
© Reuters.
■サインポスト (T:3996)の事業概要

4. イノベーション事業
イノベーション事業は、企業の経営・業務課題の解決にとどまらず、社会問題の解決や地域との共創に向けて、新技術の研究開発やオープンイノベーションによる協力企業との協業によって、新たな製品・ソリューションの具現化を目指す事業である。


具体的には、独自開発の人工知能「SPAI」による画像認識技術、物体追跡技術をはじめ、マルチ決済技術、重量センサー技術、バーコード認識技術、文字認識技術など同社が保有する要素技術を活用し、小売業向けに自社開発した設置型AI搭載セルフレジ「ワンダーレジ」や、完全スルー型の無人決済システム「スーパーワンダーレジ」の導入・設置を推進している。
また、2020年2月からNSDと資本業務提携している。


設置型AI搭載セルフレジ「ワンダーレジ」は、小売業者が抱える課題、特に店舗運営の効率化や人手不足の解消などを目的として2017年3月に発表した。
独自開発の人工知能「SPAI」や商品を特定する画像認識技術を活用しているため、商品を「ワンダーレジ」に置くだけで、商品を認識して精算できることが特徴だ。
バーコードの読み取りも可能である。
利用者は「商品を置く&画面タッチ」だけで、簡単にセルフで買い物ができる。
2018年6月に大手企業の社内弁当販売用として3台導入され、実利用を開始した。


導入事例としては、JCB高田馬場オフィスのカフェテリア、ナンモダ百貨新冠本店、昭和電工ドーム(大分トリニータのホームスタジアム)内の飲食売店「トリズキッチン」西コンコース内店舗、横浜高島屋Foodies’ Port2、野村不動産(株)が展開するサービス付小規模オフィス「H¹O日本橋室町」「H¹O日本橋小舟町」及びサテライト型シェアオフィス「H¹T新宿西口」などがある。
増設も含めて導入が徐々に広がっている。


無人決済システム「スーパーワンダーレジ」は、レジ作業を必要としない完全スルー型のシステムである。
利用者が店舗内でカートやカゴに購入する商品を出し入れする都度自動で精算し、決済ゲートを通過する際にICキャッシュカードなどの支払方法を選択して決済を完了させる。
利用者は商品を手に取るだけで精算することが可能になる。
会員登録が不要で誰でも使える、利用者に合わせて決済手段を選べる、優れたコストパフォーマンスなどを競合との差別化ポイントとしている。


JR大宮駅構内の特設店舗における実証実験(2017年11月)、JR赤羽駅構内の特設店舗における実証実験(2018年10月~12月)を経て、2019年7月にJR東日本スタートアップと合弁でTTGを設立し、無人決済システム「スーパーワンダーレジ」の開発・販売を移管した。
JR東日本とのオープンイノベーションで迅速な社会実装を推進し、小売業者向けに店舗運営の省人化や利用者の利便性向上を図る製品・ソリューションとして提供する。
同社は技術提供など開発面で協業してTTGからロイヤリティ収入を得る。


TTGは2020年3月にJR山手線高輪ゲートウェイ駅構内に無人AI決済店舗の第1号店となる「TOUCH TO GO」をオープンした。
今後は製品名をコンビニ型無人決済システム「TTG-SENSE」、極小店舗向け無人決済店舗システム「TTG-SENSE MICRO」、無人オーダー決済システム「TTG-MONSTAR」、ゲート制御型入退館システム「TTG-GATEWAY」などとして事業展開する。


またTTGは業容拡大に向けて、(株)ファミリーマートと資本業務提携(2021年3月)、東芝テック (T:6588)と資本業務提携(2021年9月)、グローリー (T:6457)と資本業務提携、KDDI Open Innovation Fund 3号から資金調達(2021年10月)するなど、各社との協業を強化している。
なお同社のTTGへの出資比率は、設立時は50.0%だったが、その後の増資で2021年10月末時点では43.2%となっている。


TTGの導入事例としては、JR山手線高輪ゲートウェイ駅構内、ファミリーマートのサピアタワー/S店、ファミリーマート岩槻駅店、(株)紀ノ國屋の無人決済小型スーパーマーケット「KINOKUNIYA Sutto 目白駅店」、ANA FESTA GO 羽田B1フロア店、トモニー中井駅店、千葉新港の三菱商事エネルギー・タツノなどがある。
ファミリーマートが店舗無人化戦略を積極推進する方針であり、採用拡大への期待が高まっている。


イノベーション事業としては、さらに新製品・サービスの開発を推進し、2021年7月にはコンパクトPOSセルフレジ「EZレジ」を開発、2021年8月には書籍専用セルフレジ「ワンダーレジ-BOOK」を開発し、2021年秋から提供を開始している。
コンパクトPOSセルフレジ「EZレジ」は、シンプルな機能に絞り込んで月額9,800円(税抜)~という低価格を実現し、セルフレジ導入のハードルを大幅に低減させた。
書籍専用セルフレジ「ワンダーレジ-BOOK」は、書籍のバーコードを上に向けて置くだけで一括して全ての書籍のバーコードを読み取るため、スピーディな会計を実現できる。


なお、無人レジや無人店舗決済システムの競合企業としては、現在はAmazonの「Amazon Go」など数社にとどまっているが、今後は新規参入企業の出現も予想される。
ただし、無人レジや無人店舗決済システムの関連市場そのものが未開拓の市場であり、同社には設置型AI搭載セルフレジ「ワンダーレジ」やTTGのコンビニ型無人決済システム「TTG-SENSE」などで先行している優位性もある。
当面の市場競合リスクは小さいだろう。



地方共創への取り組みも開始
5. 地方共創
さらに地域の課題を解決することを目的として、地方共創への取り組みも開始している。
2020年4月には、一般社団法人ナンモダ(北海道新冠町)が運営するナンモダ百貨新冠本店の野菜直売所に、設置型AI搭載セルフレジ「ワンダーレジ」を設置した。
店舗スタッフの採用難や販売機会の拡大など、過疎地域の小売店舗の経営課題解決を試みるとともに、地域経済活性化と地方創生の方策の一つとなることを目指す。


今後も独自技術の商品化とオープンイノベーションで新たなソリューションを具現化し、イノベーションを通じて地方共創への取り組みを推進する方針だ。


6. リスク要因と対策
上述の各事業セグメントで指摘した景気変動リスク、市場競合リスクの他に、同社の場合は創業者である蒲原寧代表取締役社長への依存リスクがある。
ただしグローバル企業への成長を目指し、優秀な人材の確保・育成を含めた経営基盤の整備・強化に着手している。
特定人物への依存リスクは徐々に軽減される見込みだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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