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日本エム・ディ・エムは売られ過ぎ感、22年3月期は上振れの可能性

株式2021年12月02日 08:35
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© Reuters. 日本エム・ディ・エムは売られ過ぎ感、22年3月期は上振れの可能性

 日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は整形外科分野の医療機器メーカーである。米国子会社の自社開発製品を主力として収益力向上を推進している。22年3月期はコロナ禍の影響が和らぎ、症例数が回復基調となって大幅営業・経常増益予想としている。さらに上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は急落してボックスレンジから下放れの形となった。地合い悪が影響したようだが売られ過ぎ感を強めている。出直りを期待したい。

■整形外科分野の医療機器メーカー、米国子会社の自社開発製造が主力

 人工関節製品、骨接合材料、脊椎固定器具など整形外科分野を主力とする医療機器メーカーである。商社機能と開発主導型メーカー機能を融合した事業展開で、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品を主力としている。

 21年3月期売上構成比は、日本が66%(人工関節26%、骨接合材料22%、脊椎固定器具15%、人工骨1%、その他1%)、米国が34%(人工関節34%、脊椎固定器具0%)で、自社製品比率は79.9%(20年3月期は83.1%)だった。営業利益構成比(調整前)は日本が63%、米国が37%だった。21年3月期は特に米国において新型コロナ影響を受けたため、米国の構成比が低下した。

 収益面の特性として、医療機器償還価格の影響や為替変動の影響を受けるほか、整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があるため、業績も下期の構成比が高い特性があるとしている。

■新中期経営計画「MODE2023」

 中期経営計画MODE2023では、目標値に24年3月期売上高220億円(日本90億円、米国・オーストラリア132億円)、営業利益35億円、経常利益34億円、親会社株主帰属当期純利益23億円、ROE(自己資本利益率)10.0%、ROIC(投下資本利益率)9.0%を掲げている。想定為替レートは1ドル=108円である。また10年後の目指す姿として、日本内資企業で売上高首位、世界整形外科市場で15位以内を目指すとしている。

 中期重点施策として海外ビジネスの拡大、開発・調達力の強化、人材・組織の専門性強化、デジタル化を推進する。そして利益の伴った持続的な成長を実現するとしている。

 海外ビジネスの拡大は、米国では販売体制強化と人工関節分野新製品導入による2桁成長を目指す。中国では合弁会社設立によるODEV社製品の輸入販売拡大と中国現地生産品の製造・販売開始を目指す。オーストラリアではODEV社製人工関節製品の販売を開始し、症例実績積み上げを推進する。

 開発・調達力の強化は、ODEV社との日米共同開発による適応症例拡大に向けたインプラント開発、および新素材インプラントや手術支援システムなど外部調達によるビジネス拡大を目指す。

 21年3月にはODEV社が中国WASTONと、中国現地生産品の製造・販売を目的とした合弁会社を設立した。21年5月にはODEV社が米国THINK社と共同で、米ODEV社の人工関節製品を用いた人工関節全置換手術を、THINK社の手術支援ロボットシステムを用いて行うことができるようにした。

 21年8月にはフランスのFH Industrie社製のArrow人工肩関節(全人工肩関節システム)を日本に導入して販売開始した。21年9月には人口膝関節新製品「BKS Coneシステム」の薬事承認取得を発表した。

■22年3月期大幅営業・経常増益予想、さらに上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(収益認識基準適用だが損益への影響は軽微)は、売上高が21年3月期比11.7%増の187億円、営業利益が24.5%増の27億円、経常利益が24.7%増の26億50百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が8.1%増の18億円としている。配当予想は1円増配の12円(期末一括)である。

 コロナ禍の不透明感や日本の診療報酬改定などのマイナス影響があるが、前期にコロナ禍の大きな影響を受けた米国市場における症例数回復を想定し、2桁増収、2桁営業・経常増益予想としている。

 売上高(収益認識基準適用に伴う売上控除前)の計画は、日本国内が8.5%増の120億円(人工関節が8.1%増の47億55百万円、骨接合材料が6.0%増の39億18百万円、脊椎固定器具が13.3%増29億22百万円、人工骨・その他が4.1%増の4億03百万円)、米国が23.3%増の69億94百万円(人工関節が23.4%増の69億81百万円、脊椎固定器具が22.6%減の13百万円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比14.3%増の88億58百万円、営業利益が28.4%増の10億58百万円、経常利益が29.4%増の10億42百万円、親会社株主帰属四半期純利益が90.6%増の10億03百万円だった。特別利益には米国で発生した債務免除益3億03百万円を計上した。大幅増収増益だった。収益認識基準適用の影響額として、売上高と販管費がそれぞれ1億30百万円増加した。営業利益以下への影響はなかった。

 売上高は上期として過去最高だった。第2四半期に米国における新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受けたため、従来予想(7月30日に上方修正)を1億41百万円下回ったが、全体としてコロナ禍の影響が和らいで日本、米国とも症例数が回復基調となった。

 利益面では、自社製品比率低下で売上原価率が0.2ポイント悪化したが、増収効果に加えて、第2四半期に営業経費の一部が想定を下回ったこと、税金費用が想定よりも減少したことも寄与して大幅増益だった。従来予想(同)に対して営業利益は1億08百万円、経常利益は1億22百万円、親会社株主帰属四半期純利益は1億83百万円、それぞれ上回って着地した。

 セグメント別(調整前)に見ると、日本国内は脊椎固定器具の自社新製品投入効果も寄与して、売上高が7.9%増の54億66百万円で、営業利益が46.1%増の6億67百万円だった。米国は売上高が14.2%増の52億31百万円で、営業利益が4.4%減の4億25百万円だった。新規顧客獲得も順調だった。米国の外部顧客向け売上高は米ドルベースで22.3%増収となり、円換算後では26.3%増の33億92百万円となった。

 分野別の売上高(収益認識基準適用に伴う売上控除前)は、人工関節分野が米国の回復で合計16.8%増(日本が4.6%増、米国が26.1%増)の55億25百万円、骨接合材料分野が日本国内の好調推移で9.5%増の17億72百万円、脊椎固定器具分野が日本国内の高成長で合計19.9%増の14億71百万円だった。自社製品比率は79.6%だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が45億37百万円で営業利益が5億54百万円、第2四半期は売上高が43億21百万円で営業利益が5億04百万円だった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が47.4%、営業利益が39.2%、経常利益が39.3%とやや低水準の形だが、整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向がある。繁忙期となる下期のCovid―19再拡大懸念を考慮して通期予想を据え置いたが、症例数が回復基調であることを考慮すれば通期予想も上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は急落してボックスレンジから下放れの形となった。地合い悪が影響したようだが売られ過ぎ感を強めている。出直りを期待したい。12月1日の終値は1918円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS68円22銭で算出)は約28倍、今期予想配当利回り(会社予想の12円で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS706円07銭で算出)は約2.7倍、時価総額は約508億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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