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ユニリタ Research Memo(5):サービス提供型事業の創出や他社との協業でも一定の成果

発行済 2021-12-10 15:35
更新済 2021-12-10 15:45
© Reuters.
■ユニリタ (T:3800)の主な活動実績

1. サービス提供型事業の創出
「プロダクトサービス」(帳票事業)において、顧客の面倒な帳票の出力業務(帳票の印刷・郵送代行から、電子化・Web配信まで)をまとめて支援する「まるっと帳票クラウドサービス」の提供を開始すると、その後も導入企業が順調に伸びているようだ。
本サービスは、帳票業務の課題解決ニーズを捉えたアウトソーシングサービスとして提供するものであり、同社が推進しているサービス提供型事業の方向性を示す事例として取り上げることができる。


2. 他社との協業
同社では多様化、複雑化する顧客の課題解決のため、オープンイノベーションの考え方のもと産業界に強みを持つ他社との協業を通じたサービス開発と提供に取り組んでいる。
2021年10月には、キヤノンITソリューションズ(株)との協業により、「プロセス志向のアジャイル型ソリューション」(事業推進クラウド事業)の提供を開始した。
本サービスは、顧客自身による業務プロセスの可視化とアジャイル開発※1の内製化を支援するものであり、顧客の業務効率化に貢献することができる。
今後も、両社の強みと顧客基盤を組み合わせ、顧客や社会の課題を解決する新しい価値を生み出すために、様々な分野で協業していく方針である。
また、IT活用クラウド事業においても、資本業務提携先であるアイネットと「ユニリタクラウドサービス」のラインナップ拡充に取り組んでいるほか、業界で初めてセキュリティ機能を実装したリモートワーク基盤「Digital Workforce」※2では、他社クラウドサービスとの連携が多数進んでいる。


※1 システムやソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法の1つで、大きな単位でシステムを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返して開発を進めていく。
従来の開発手法と比べて開発期間が短縮されるため、アジャイル(素早い)と呼ばれている。

※2 シングルサインオンやID管理機能を持ち、業務効率向上とセキュリティ強化に強みを有する。



3. ソーシャルクラウド事業の進捗
地方創生への貢献については、自治体などの行政機関や事業会社との連携により、地方の二次交通であるバス事業の抱える課題解決を進めており、公共交通の可視化、利用者の利便性向上(不安の解消)、データ収集及び分析、交通網整備最適化などを通じて、コンパクトシティの実現と地域活性化へとつなげていく構想を描いている。
2021年1月から開始した石川県小松市と日野自動車 (T:7205)との三者による実証実験では、バス業界初となる、バスの運行データと乗降データの収集と解析に基づくコンパクトシティ実現とバス事業者の経営改善化提案のモデルケースに取り組んでいる。
また、2021年5月には、アイネットとの協業により、バス車内のCO2濃度測定・予測サービスの提供も開始した。
一方、アグリサービス(農業×IT)の取り組みについては、2021年6月より農業経営の収支改善に向けたサービス「ベジパレット」※β版の無償提供を開始した。
今後、使用者からのフィードバックをもとに正式版の開発へとつなげていく方針である。


※テンプレートを活用した作業のスケジュール管理から、リモートセンシングによる状況把握、生育状況管理をとおして、作業情報のデータ化を行い、マニュアル化ができる施設栽培農家向けの農業経営支援クラウドサービスである。



4. 投資実績
同社は、中期経営計画(3ヶ年)において総額29億円の投資を計画しているが、2022年3月期上期については、「プロダクトサービス」に1.1億円、「クラウドサービス」に3.3億円、合計4.4億円の投資を実行した。
「プロダクトサービス」では、帳票プロダクトのサービス化や機能拡張、新製品開発などへ投下した一方、「クラウドサービス」については、「IT活用クラウド事業」及び「事業推進クラウド事業」におけるサービス群の機能拡張、サブスクリプション販売及びサービス利用状況管理システムの開発、「ソーシャルクラウド事業」における新サービス開発などを目的としたものである。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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