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ベステラは反発の動き、22年1月期大幅増収増益予想

発行済 2022-01-13 08:23
更新済 2022-01-13 08:35
© Reuters.  ベステラは反発の動き、22年1月期大幅増収増益予想

 ベステラ<1433>(東1)は鋼構造プラント設備解体工事を展開し、解体工事会社としては類のない特許工法・知的財産の保有を強みとしている。22年1月期は大型案件が牽引して大幅増収増益予想としている。第3四半期累計は大幅増収増益と順調だった。中期的にも受注環境が良好であり、収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、12月の昨年来安値圏から切り返して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■鋼構造プラント設備解体のオンリーワン企業

 製鉄所・発電所・ガスホルダー・石油精製設備など鋼構造プラント設備の解体工事に特化したオンリーワン企業である。

 製鉄・電力・ガス・石油・石油化学業界(製鉄所・発電所・石油精製・石油化学設備など)向けを主力とするプラント解体工事、および特定化学物質・アスベスト・ダイオキシン・土壌汚染などの環境関連対策工事を展開している。主要顧客はJFEグループ、日本製鉄グループ、東京エネシス、IHIグループなどである。

 21年1月期の完成工事高の構成比は、電力が18%、製鉄が37%、石油・石化が34%、ガスが2%、子会社3Dビジュアルが3%、その他が6%だった。構成比は大型案件によって変動する。また、顧客の設備投資計画に応じた季節性があり、下期に完成工事高が増加する傾向が強い。

 大手企業のエンジニアリング子会社を中心とした優良な顧客基盤、豊富な工事実績に基づく効率的な解体マネジメント、解体工事会社としては類のない特許工法・知的財産の保有を強みとしている。技術関連では、球形ガスホルダー解体「リンゴ皮むき工法」や火力発電所等の「ボイラ解体方法」の特許を取得し、遠隔操作による溶断ロボット「りんご☆スター」も開発している。さらに風力発電設備解体需要に応えるため、他社に先駆けて「マトリョーシカ式工法」「タワークレーン工法」「転倒工法」の特許工法を開発している。

 20年2月には、インターアクション<7725>から3Dスキャン・3Dモデリング事業およびプラント設計事業を譲り受け、新会社3Dビジュアルとして事業を開始した。

 21年12月には、アスベスト対策やダイオキシン対策など環境汚染対策工事に関して特殊な工事技術を保有する矢澤(東京都渋谷区)を子会社化した。

 なお20年9月にリバーホールディングスを持分法適用関連会社化したが、リバーホールディングスがタケエイと21年10月1日付で共同持株会社TREホールディングス<9247>を設立して経営統合したため、リバーホールディングスは持分法適用関連会社から除外された。業務提携関係は継続するとしている。

■プラント解体需要は中期的に増加予想

 第5次エネルギー基本計画や、脱炭素化に向けた2050年カーボンニュートラル宣言の国策も背景として、1960年代の高度成長期以降に建設された老朽化プラントの解体工事の増加が予想されている。中期的に受注環境は良好である。

 中期経営計画2025(22年1月期~26年1月期、ローリング方式)では、目標値に26年1月期売上高100億円、営業利益10億円、経常利益10億72百万円、当期純利益7億52百万円、売上高営業利益率10.0%、ROE13.0%、EPS91円を掲げている。配当性向の目安は40%としている。

 重点戦略として、競争力のある特許工法による解体方法の提案・実用化、元請案件の受注拡大による収益力向上、コーポレートブランディングの強化、グループ企業との連携強化、協業先企業との連携強化、施工管理体制の強化、M&Aも活用した重要技術の内製化、DX(検査ロボット活用、設計・施工業務の変革)などを推進する。

 なお中期経営計画の達成に向けた資金調達として、第三者割当による第9回および第10回新株予約権(行使価額修正条項付)を発行した。割当先の投資信託(Hayate Japan Unit Trust)は、企業への直接の資金提供(真の直接金融)を設立段階から謳った日本初の投資信託で、今回の案件が第1号となる。

 調達資金は、プラント解体技術と相乗効果が高い4分野(脱炭素化に向けた設備の廃止措置に関する分野、風力発電設備の解体に関連する分野、3D事業価値追求のためのデジタル関連分野、解体施工技術の高度化を目的とした専門工事分野)へのM&A投資、および規模拡大に対応した営業担当者・採用担当者等の増員や拠点拡充などに充当する。また事業成長のための財務基盤の強化を推進する。

 21年12月には指名・報酬委員会の設置、株主総会の議決権行使の電子化および機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームへの参加、サステナビリティ基本方針制定およびサステナビリティ委員会設置を発表している。コーポレート・ガバナンス体制の一層の充実・強化を図るとともに、SDGsへの取り組みを強化する。

■22年1月期大幅増収増益予想で3Q累計順調

 22年1月期の連結業績予想(10月1日に経常利益を1億46百万円、親会社株主帰属当期純利益を9億97百万円それぞれ上方修正)は、売上高が21年1月期比52.1%増の56億円、営業利益が3.6倍の4億50百万円、経常利益が3.1倍の6億64百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.6倍の13億57百万円としている。配当予想は21年1月期と同額の16円(第2四半期末6円、期末10円)である。

 21年1月期に受注した電力および化学関連の大型案件が牽引して大幅増収増益予想としている。またリバーホールディングスとタケエイの経営統合でTREホールディングスが東証1部に新規上場したことに伴い、特別利益13億86百万円および法人税等調整額4億24百万円等が発生する見込みだ。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比41.5%増の36億55百万円、営業利益が3.8倍の2億43百万円、経常利益が2.8倍の4億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が10.0倍の12億02百万円だった。

 大型の進行基準工事が順調に進捗し、工事原価率改善効果も寄与して大幅増収増益だった。期首繰越工事高は25億45百万円、受注高は9.8%減の30億84百万円、完成工事高は46.5%増の34億81百万円、期末繰越工事高(受注残高)は2.8%増の21億47百万円となった。

 営業外収益には持分法投資利益(第2四半期と第3四半期に損益の約15%となる合計2億01百万円)を計上した。またリバーホールディングスがタケエイと経営統合してTREホールディングスが新規上場したことに伴う株式移転で、第3四半期の特別利益に企業結合における交換利益12億75百万円を計上した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高13億18百万円で営業利益1億98百万円、第2四半期は売上高10億17百万円で営業利益37百万円の赤字、第3四半期は売上高13億20百万円で営業利益82百万円だった。第2四半期は従業員への特別賞与支給、風力発電設備解体工法開発費用の計上で赤字だったが、業績予想に織り込み済みだった。

 通期も大型案件が牽引して大幅増収増益予想としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が65.3%、営業利益が54.0%と低水準の形だが、顧客の設備投資計画に応じた季節性があるため、今期も例年通り下期に完成工事高の増加を予定している。さらに今後の需要拡大が予想される原子力発電所廃止措置関連解体、風車解体などの領域にも受注活動を展開・強化する方針だ。第3四半期累計が順調であり、通期ベースでも収益拡大を期待したい。さらに中期的にも受注環境が良好であり、収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は毎年1月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年1月31日現在1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じてクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果として、流通株式時価総額が不適合との通知を受けたが、21年9月9日開催の取締役会においてプライム市場選択を決議し、市場選択申請書を提出した。そして21年11月15日に上場維持基準の適合に向けた計画書を発表した。上場維持基準に係る経過措置の適用を受けるとともに、中期経営計画2025に基づいてプライム市場上場維持基準への適合を目指す。

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、12月の昨年来安値圏から切り返して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。1月12日の終値は1352円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS164円02銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.2%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS315円08銭で算出)は約4.3倍、時価総額は約118億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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