[上海 15日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は、デジタル経済の規制とガバナンス(統治)を改善して「不健全な」発展を防ぐよう主張した。16日付の中国共産党中央委員会の機関紙「求是」が掲載した論文で明らかにした。
習主席は、IC(集積回路)、ディスプレー、通信機器などの主要分野に注力すべきと指摘。「国際競争力を持つ多くの企業、産業チェーンのコントロールする主要なエコ企業を育成し国際級のデジタル産業集団を構築すべき」と述べた。
「国際デジタル経済における大規模かつ強力な国々に比べ、中国のデジタル経済は規模は大きいが強靭ではなく、迅速だが優れているわけでないと認識しなければならない」とした。
規制の抜け道をふさぎ、「独占や資本の無秩序な拡大」を防ぐ規制や基準が必要との見解を示した。
「中国のデジタル経済では、急速に発展する過程で不健全で異常な要因も出てきた。これはデジタル経済の健全な発展に影響するだけでなく、法規制に違反し、経済・金融の国家的安全に脅威となる」と指摘。デジタル経済の早期警報、防止、管理システムの強化を重点とする国家安全保障システムを改善し、主要技術や重要産業・施設、戦略的資源、重要企業の安全を確実とすべきとした。
国務院(内閣)は12日、デジタル経済の発展計画を発表。6Gやビッグデータなどの技術を促進し国内総生産(GDP)に占める比率を高める方針を示した。