[シャランペ(フランス) 17日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は17日、今年4月の大統領選を控え、外国企業による21件の投資プロジェクトを発表するとともに、これまで推進してきた経済改革の実績をアピールした。
海外勢によるフランス国内の新規プロジェクトへの総投資額は40億ユ―ロで、1万人の雇用を創出する見通し。
マクロン氏はこの日、東部アルザス地方を訪れ、独化学大手のBASFによる3億ユーロ(3億4000万ドル)規模の高機能ナイロン生産拠点の起工式に出席した。
米製薬大手ファイザーも17日、フランスに5億2000万ユーロを投資すると発表。米化学大手イーストマン・ケミカルは10億ドルを投じてプラスチックのリサイクル施設を設置すると発表した。
マクロン氏は再選を目指すと見込まれており、過熱する選挙戦では、移民や治安を巡る議論を避け、新型コロナウイルス禍から強く回復している経済にスポットライトを当てたい考え。
BASFの生産施設で従業員に対し「フランスは15年間、工業化に逆行した。2019年以降、再び工業部門で新たな雇用を生み出し始めた。これはわれわれが行った選択の結果だ。任期当初に改革を実施するという選択だ」と強調した。
マクロン氏は17年の就任以来、企業の競争力引き上げに向けた措置や投資家が対象の減税策、労働市場の規制緩和といった、供給力の強化を重視するサプライサイドの経済改革を推進してきた。
マクロン氏を巡っては富裕層寄りとの批判が出ているが、フランス経済は回復しており、2021年の経済成長率は6.7%に達すると予想されている。
ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は14日、米紙ニューヨーク・タイムズのコラムで「主要先進国の間でパンデミック(新型コロナウイルス大流行)時代に卓越した実績を残したのは、ほぼ間違いなくフランスだ」との見解を示した。