[18日 ロイター] - 英豪系の資源大手リオ・ティントは18日、西オーストラリア州ピルバラ地域の鉄鉱石出荷量について、2022年は3億2000万─3億3500万トンになるという軟調な見通しを示した。労働市場の逼迫や新たなグリーンフィールド鉱山の生産遅延を理由に挙げた。
見通しの中央値はUBSの予想(3億3000万─3億4000万トン)を下回った。21年の出荷量は3億2160万トンだった。
リオ・ティントは、22年の経済成長見通しに「勇気づけられる」としながらも、新型コロナウイルスの感染拡大や地政学的な緊張により混乱が生じ、打撃を受ける可能性があると警告した。
発表文書で「ガイダンスは、ウイルス流行が政府の規制や感染拡大の長期化につながらないことを前提としている。そのような事態になれば、当社の生産に不可欠な労働者らが相当数働けなくなる可能性がある」と指摘。
「このリスクは、労働市場の逼迫とサプライチェーンの制約によって世界的に強まっている」とした。
21年第4・四半期の鉄鉱石出荷量は、前年同期の8890万トンから5.4%減少し、8410万トンとなった。グリーンフィールド鉱山の完成が遅れたことや、炭素の排出削減を目指す最大の消費国である中国の需要減が響いた。
UBSの予想(8400万トン)とほぼ一致した。
中国では、過熱している不動産市場の抑制策を背景に鉄鉱石を含む原材料の需要が減少。また、中国の炭素排出削減の動きと相まって、鉄鋼生産が圧迫され、その結果、鉄鉱石価格は昨年5月のピークからほぼ半減した。