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クリーク・アンド・リバー社は売り一巡、22年2月期3Q累計大幅増益で通期は再上振れ濃厚

発行済 2022-01-24 09:46
更新済 2022-01-24 10:05
© Reuters.  クリーク・アンド・リバー社は売り一巡、22年2月期3Q累計大幅増益で通期は再上振れ濃厚

 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東1、新市場区分プライム)はクリエイティブ分野を中心にエージェンシー事業などを展開し、プロフェッショナル50分野構想を掲げて事業領域拡大戦略を加速している。22年2月期第3四半期累計は日本クリエイティブ分野の好調が牽引して大幅増益だった。来期以降の成長加速に向けた先行投資などを考慮して通期予想を据え置いたが、再上振れが濃厚であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお配当予想を上方修正している。株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げる形となったが、売り一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■クリエイティブ分野中心にエージェンシー事業やプロデュース事業を展開

 クリエイティブ分野(映画・TV番組・ゲーム・Web・広告・出版等の制作)で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー(派遣・紹介)事業、プロデュース(制作請負・アウトソーシング)事業、ライツマネジメント(知的財産の流通)事業を展開している。

 グループは20社で構成され、プロフェッショナル8領域(クリエイティブ、メディカル・ヘルスケア、コンストラクション、クオリティ・オブ・ライフ、ライフサイエンス、コンピュータサイエンス、エンジニアリング、経営支援)の18分野に展開し、グループ資産を活用した商品・サービス・プロジェクトを提供している。22年8月期第3四半期末時点でプロフェッショナルクリエイター33万3400人、クライアント4万3520社のネットワークを構築していることが強みだ。

 新規エージェンシー事業としては建築、ファッション、シェフ、プロフェッサー、ドローン、舞台芸術、リサーチャー(研究開発支援者)、CXO(CEO、CFO、CMOなど企業における業務や機能の最高責任者の総称)を展開している。

 新規サービスとしては、米国C&R Globalが法務領域コンサルティングサービス、プロフェッショナルメディアが求人メディア運営、VR Japanが中国IDEALENS社製VRゴーグル販売、台湾インツミット社と合弁のIdrasysがAI予測ツール「Forecasting Experience」の機能強化や販売拡大を推進している。クレイテックワークスはゲームコンテンツ開発・運営を展開し、インタラクティブブレインズの3DCGアバター事業、VR事業、コンテンツ開発事業を譲り受けた。またジェイアール東日本企画と共同でデータドリブンマーケティング事業を推進するJDDLを設立している。

 20年7月にはVR・Web関連のGruneを子会社化、NHKおよび関連会社の番組制作・編集部門へのスタッフ派遣などを展開するウイングを子会社化、20年10月にはコンサルティング事業のきづきアーキテクトを子会社化した。

 21年4月にはブロックチェーンエンターテインメント事業のシンガポールDEA社に出資した。NFT(非代替性トークン)への取り組みとして、DEA社のプラットフォームにコミックやゲーム等のコンテンツを提供する。将来的には自社でNFTプラットフォームを運営することも視野に入れている。

 21年8月には、EPSホールディングス<4282>、ワールドホールディングス<2429>、SBSホールディングス<2384>と共同で、エルダー人材の働き方の多様性を企画・実現する新会社HATARAKUエルダー(EPSホールディングスの連結子会社)を設立した。

 さらに事業シナジーを見越した資本参加として、バイオベンチャーのCO2資源化研究所、アグリベンチャーのプラントライフシステムズ、不動産仲介プラットフォームのエージェント・グロース(事業上の通称はケラー・ウィリアムズ・ジャパン)、弁護士保険のミカタ少額短期保険、子ども向けオンライン世界旅行のMimmyなどに出資している。

■日本クリエイティブ分野が拡大基調

 21年2月期のセグメント別(調整前)構成比は、売上高が日本クリエイティブ分野70%、韓国クリエイティブ分野9%、医療分野10%、会計・法曹分野5%、その他(IT分野のエージェンシー事業、新規事業など)6%、営業利益が日本クリエイティブ分野73%、韓国クリエイティブ分野▲2%、医療分野30%、会計・法曹分野4%、その他▲4%だった。

 韓国クリエイティブ分野は、TVマーケット関連事業を新設会社に承継してCREEK&RIVER ENTERTAINMENTを18年2月期第2四半期から持分法適用関連会社としたが、20年1月9日付で株式を追加取得し、改めて連結子会社化した。またエコノミックインデックスは21年3月に株式を譲渡して連結から除外した。

 収益面では、医療分野の売上と利益が季節要因で第1四半期と第2四半期に偏重するため、全体としても上期の構成比が高い特性がある。主力の日本クリエイティブ分野は売上・営業利益とも拡大基調である。新規事業分野は人件費などの費用が先行するが順次収益化を見込んでいる。

■プロフェッショナル50分野構想

 中期経営計画では「プロフェッショナル50分野構想」を掲げ、目標数値を24年2月期売上高460億円、営業利益35億円、営業利益率7.6%としている。

 基本戦略としては、プロフェッショナル分野のさらなる拡大(プロフェッショナル50分野構想)、新規サービスの創出(プロフェッショナルの能力を活かす新たな価値の創造)、経営人材の創出、コーポレートガバナンスの強化を推進する。M&A・アライアンスも積極活用して事業領域拡大戦略を加速する方針だ。

 直近の事業トピックスとして21年12月には、内閣府・内閣官房が推進する「地方創生テレワーク推進運動」の趣旨に賛同し、推進運動に参加する「Action宣言」を行った。また、日本最大級のゲーム・XR・Web・映像・漫画・建築の開発スタジオ「C&R Creative Studios」を始動した。このスタジオを核としてコンテンツ開発を推進する。さらに、VR住宅展示場「XR EXPO」をオープンした。メタバースを活用して既存の住宅販売モデルの変革を目指す。

 1月5日には子会社のVR Japanが医療機関向けVR遠隔同時講義システムを発売した。

■22年2月期3Q累計大幅増益で通期は再上振れ濃厚

 22年2月期連結業績予想(9月30日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が21年2月期比10.7%増の413億円、営業利益が30.7%増の32億円、経常利益が28.7%増の32億円、そして親会社株主帰属当期純利益が18.4%増の19億50百万円としている。配当予想は1月6日に期末1円上方修正して21年2月期比2円増配の18円(期末一括)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比13.5%増の312億76百万円、営業利益が57.7%増の30億11百万円、経常利益が55.7%増の30億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.6%増の19億78百万円だった。日本クリエイティブ分野の好調が牽引して大幅増益だった。

 日本クリエイティブ分野は売上高(外部顧客への売上高)が15.0%増の218億10百万円で営業利益(調整前)が69.6%増の20億72百万円だった。TV番組やゲーム関連を中心に伸長し、高採算案件の増加やDXによる生産性向上なども寄与した。韓国クリエイティブ分野は売上高が6.2%増の26億08百万円で営業利益が9百万円(前年同期は46百万円の損失)だった。コンテンツ事業のデジタルコミック(Webtoon)やYouTube関連が伸長して黒字化した。

 医療分野は売上高が15.5%増の36億10百万円で営業利益が27.3%増の9億37百万円だった。医師紹介が好調だった。レジナビFairはコロナ禍の影響でリアル開催が困難だったが、オンライン開催に切り換えて収益化を図った。会計・法曹分野は売上高が4.0%増の15億37百万円で営業利益が27.3%減の55百万円だった。派遣が伸長したが、紹介がコロナ禍の影響を受けた。その他事業(新規事業)は売上高が11.0%増の17億08百万円で営業利益が59百万円の損失(前年同期は80百万円の損失)だった。9社のうち6社の収益が改善した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高105億99百万円で営業利益12億30百万円、第2四半期は売上高104億36百万円で営業利益9億27百万円、第3四半期は売上高102億41百万円で営業利益8億54百万円だった。なお医療分野の収益は上期偏重となる季節特性がある。

 通期も日本クリエイティブ分野の好調が牽引して大幅増収増益予想としている。セグメント別の計画は、日本クリエイティブ分野の売上高が11%増の290億円で営業利益が27%増の22億50百万円、韓国クリエイティブ分野の売上高が7%増の35億円で営業利益が20百万円の黒字(21年2月期は49百万円の赤字)、医療分野の売上高が12%増の44億円で営業利益が24%増の9億円、会計・法曹分野の売上高が5%増の21億円で営業利益が9%増の1億10百万円、その他(9社)の売上高が13%増の25億円で営業利益が50百万円の赤字(同1億04百万円の赤字)としている。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76%、営業利益が94%、経常利益が94%、親会社株主帰属当期純利益が101%と高水準である。来期以降の成長加速に向けた先行投資などを考慮して通期予想を据え置いたが、再上振れが濃厚であり、営業利益は中期経営計画の最終年度24年2月期の目標値35億円を一気に達成する可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げる形となったが、売り一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。1月21日の終値は1750円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS87円48銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の18円で算出)は約1.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS455円87銭で算出)は約3.8倍、時価総額は約403億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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