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ロシアとウクライナの戦争懸念の高まりを受け、ダウは調整局面へ

発行済 2022-02-24 06:14
更新済 2022-02-24 06:07
© Reuters.

執筆:Yasin Ebrahim

Investing.com – ウクライナ情勢における緊張の高まりを受け、ロシアとの戦争に備えつつあるという兆候から、ダウは水曜日に日中の上昇を反転させ、調整局面となり取引を終えた。

ダウ工業株30種平均は1.4%(464ポイント)下落し、直近の高値から10%を超える調整局面に入った。 S&P500は1.8%、ナスダックは2.6%それぞれ下落した。

ウクライナ政府は、ロシアが侵攻を強化するとの懸念が強まり、水曜日に非常事態宣言を発する展開となった。

ロイター通信は、ロシア軍の部隊がウクライナ東部に向かって移動していると報じ、首都キエフが戦場となる可能性があると報道し、外交的解決への希望に打撃を与えたという。またウクライナ政府や銀行のウェブサイトがサイバー攻撃によりオフラインになったとの報告もあり、緊張が高まっている。

ウクライナ政府は自国民にロシアからの脱出を促し、戦闘年齢に達したすべての男子を強制的に兵役に召集した。

米国は、ロシアの天然ガス・パイプラインであるNord Stream 2を標的として、運営を行う建設会社を対象とする更なる制裁措置を発動した。これはロシアが西側諸国から資金を調達する能力を制限することを目的としており、前日に発表された制裁の第1弾に続くものである。

一方、欧州連合(EU)は木曜日に緊急首脳会議を開催し、ロシアによるウクライナへの侵攻を受けて、今後の対応を議論する予定である。

緊張の高まりは引き続き原油価格を下支えし、エネルギー株を押し上げた。

地政学的な緊張の中で、TJX Companies (NYSE:TJX)、Lowe’s Companies (NYSE:LOW)、Caesars Entertainment (NASDAQ:CZR)など多くの一般消費財企業の四半期決算が注目された。

TJX Companies (NYSE:TJX)は、パンデミックによるコスト上昇とサプライ・チェーンの混乱が成長を圧迫し、第4四半期決算が売上と利益は未達となり5%下落した。

一方Lowe’sは、住宅設備機器や建材に対する強い需要が第4四半期の業績を押し上げたことや、予想を上回る見通しを発表したため、上昇幅を縮小したものの、約1%上昇した。

Caesars Entertainmentは、パンデミック規制緩和後の需要回復に伴う売上の急増に支えられ、四半期損失を縮小した。同社の株価は3%以上の上昇となった。

Apple (NASDAQ:AAPL)とAmazon (NASDAQ:AMZN)が下げに転じるなど、大型ハイテク株は朝方の上昇が反落した。

半導体銘柄も、Nvidia (NASDAQ:NVDA)と、Advanced Micro Devices (NASDAQ:AMD)には下落圧力がかかった一方で、Intel (NASDAQ:INTC)は午前中の上昇が反落したものの相対的にアウトパフォームとなった。

同社は、Raymond James社(投資アドバイザー)が株価をアンダーパフォームからマーケット・パフォーマーに上方修正し、下値が限定的であるとして、横ばいで取引を終えた。

Raymond James 社のアナリストである Christopher Caso 氏は、「現在、Intel の強気な見方としては、同社のロードマップで何らかの前進があり、それによって AMD 社のシェア拡大が阻止され、逆転するという見方が主流となっている」と述べている。

S&P500の調整局面への下降トレンドは、売られ過ぎの領域に入り、買いのきっかけとなる水準になってきた。

「チャートは、S&P500が再び4200の下値に接近していることを示しているが、これは売られ過ぎの領域に入ってきていることを示す」と、Janney Montgomery Scott社(投資アドバイザー)は述べている。「このことは今後、S&P500指数が4200に近づくと、再び上昇する可能性があることを示唆している。」

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