執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com – 原油価格の下落でエネルギー・セクターが打撃を受け、連邦準備制度理事会(FRB)が今後数日以内に利上げを行うとの観測を前に、米国債利回りの急上昇でハイテク企業株が下落、S&P500種指数も下落して終了した。
S&P500は0.8%下落、ダウ工業株30種平均は0%(1ポイント)上昇、ナスダックは2%下落した。ナスダックは2020年3月以来、初めて直近のピークから20%下落となり、弱気ムードの中で取引を終えた。
ウクライナとロシアの交渉は月曜日にはほとんど進展がなかったが、火曜日に交渉が再開される予定であり、双方の継続的な対話への意欲が停戦合意へのきっかけとなることが期待されている。
ウクライナとロシアの戦争が長期化し、原油供給に重大な支障をきたすとの懸念から、このところ高騰が続いた原油価格が急落し、エネルギー関連銘柄もそれにつられて下落した。
Occidental Petroleum (NYSE:OXY)やChevron (NYSE:CVX)などの石油メジャーを、エネルギー市場に対する投資家センチメントの悪化を理由にMorgan Stanleyがオーバーウエートからイコール・ウエートに格下げしたことによりエネルギー株には売り圧力がかかる展開となった。
FRBが利上げサイクルを開始するとの観測が広まる中、米国債利回りは急上昇した。金利上昇が逆風となるハイテク株など市場のグロース・セクターには重しがかかる展開となった。尚、「3月の会合で0.25%の利上げを行った後、FRBは今年さらに5回の0.25%の利上げを行い、2023年には4回の利上げを行って2.625%で終わるとみている」とMorgan Stanleyは予想する。
Apple (NASDAQ:AAPL)は、主要サプライヤーの一つである中国のFoxconnがコロナ感染者の増加を受けて深センでの事業を停止すると発表し、部品の供給不足を懸念する声がある中で、2%以上の下落となる動きとなった。
Alphabet (NASDAQ:GOOGL)とAmazon (NASDAQ:AMZN)も2%安、一方でFacebook (NASDAQ:FB)は1%弱上昇となっている。
しかし、すべてのセクターが金利上昇の影響を受けるわけではない。金融セクターは、投資家が銀行が金利上昇環境から利益を得るとの思惑により、週明けから上昇に転じている。
Northern Trust (NASDAQ:NTRS)、Charles Schwab (NYSE:SCHW)、Cincinnati Financial (NASDAQ:CINF)は5%以上の上昇となった。
その他では、Ford (NYSE:F) は、投下コストの上昇とサプライチェーンの問題が成長の重荷になるとの懸念から、Jefferies証券が目標株価を20ドルから18ドルに引き下げたことで2%近く下落した。