執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com -- 水曜日の米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ決定を前に、投資家がハイテク産業に買いが集まり、火曜日にS&P500種株価指数は高値で引けた。
S&P500は2.1%、ダウ工業株30種平均は1.8%、599ポイント、ナスダック総合は2.9%、それぞれ上昇した。
ハイテク株と半導体株の最近の低迷が押し目買いを誘ったようで、ハイテク株は底値圏にあるとの思惑から、3%以上の上昇となった。
Apple (NASDAQ:AAPL)とMicrosoft (NASDAQ:MSFT)は、それぞれ2%と3%以上上昇し、大型ハイテク企業の上昇を牽引した。またNVIDIA (NASDAQ:NVDA)と Advanced Micro Devices (NASDAQ:AMD)も上昇している。
またFRBが2日間のFOMC会合を開始した際に、米国債利回りが最近の上昇からやや一服したことも、ハイテク株の上昇を後押しした。
0.25%の利上げはほぼ織り込み済みであることから、今年の利上げ政策の変化を見極めるために、投資家の関心はFRBの経済予測サマリーに集まるだろう。
加えて、FRBがインフレ対策にどの程度コミットしているかについてのコメントも注目される。もしFRBが様子見の姿勢を示した場合、景気後退への懸念が高まる中で、FRBがインフレを抑制できるかどうかという不安を煽ることになりかねない。
(投資会社)FolioBeyondのチーフ・ストラテジスト兼ポートフォリオ・マネジャーであるDean Smith氏は、火曜日のInvesting.comのインタビューで、「FRBが0.25%の利上げを行い、その後様子をみるというトーンを打ち出したら、市場は失望するだろう」と述べた。
また、WTIが1バレル100ドルをさらに割り込んだことで、原油価格の長期的な上昇が世界経済の成長を阻害するという懸念が緩和されたことも、市場全体のセンチメントの回復を後押しした。
エネルギー・セクターでは、Valero Energy (NYSE:VLO)、Baker Hughes (NYSE:BKR)、Exxon Mobil (NYSE:XOM)などが値を落とし、唯一下落したセクターとなった。
ロシアのプーチン大統領が「ウクライナは相互に受け入れ可能な解決策を見出すための真剣な態度を示していない」と述べたことで、戦争終結のための早急な外交的解決はまだ先になりそうだという見通しが更に深まったが、原油価格の上昇にはつながらなかった。
一方、産業株では、Southwest、United Airline、Delta Air Linesの3社が予想を上回る好調な予約状況がみられることを発表し、旅行需要の回復が予想より早いことを示唆したことから、航空会社株に牽引する形で上昇した。
American Airlines (NASDAQ:AAL)とUnited Airlines (NASDAQ:UAL)は9%以上、Delta Air Lines (NYSE:DAL)は8%以上の上昇となった。
その他では、Starbucks (NASDAQ:SBUX)がVolvo Carsと提携し、全国の店舗に電気自動車の充電器を設置する可能性の思惑で5%近く上昇した。
Big Lots (NYSE:BIG)は、投資家の一人であるプライベート・エクイティ会社のMill Road社が、一株あたり55ドルから70ドルの範囲で売却を検討するよう取締役会に促したため、15%急騰した。尚、同社株の月曜日の終値は31.99ドルだった。