[ドバイ 20日 ロイター] - サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは20日、今年の設備投資を前年比約50%拡大する方針を示した。この日発表した2021年決算は利益が2倍以上に増加し、市場予想を上回った。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの需要回復やロシアのウクライナ侵攻を受けて原油価格が高騰する中、同社は西側諸国から増産を求める圧力を受けている。
22年の設備投資額は400億─500億ドルに引き上げる。21年の設備投資額は前年比18%増の319億ドルだった。
アミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は、ウクライナでの戦争によって生じた不足分を補うために増産するかとの質問に対し、サウジのエネルギー省のガイドラインに沿った生産を行うと述べた。
アラムコは、27年までに原油の「持続可能な最大生産能力」を日量1300万バレルに引き上げるとともに、30年までにガス生産を50%超拡大する計画を明らかにしている。
21年の純利益は1100億ドルで、前年の490億ドルから増加。リフィニティブEikonによると、アナリストの予想平均は1060億ドルだった。
生産が拡大し、価格も上昇するとみられることから、アナリストは同社の純利益が22年に1400億ドルに達すると予想する。
同社株は20日の取引で一時4%超上昇し、時価総額が8兆7600億リヤル(2兆3400億ドル)となった。マイクロソフトを上回る水準だが、アップルの2兆6800億ドルには及ばなかった。
21年のフリーキャッシュフローは1075億ドル。前年は491億ドルだった。配当は計画通り750億ドルとした。