[ワシントン 21日 ロイター] - 米上院司法委員会で21日、バイデン大統領が黒人女性初の連邦最高裁判所判事に指名したケタンジ・ジャクソン氏(51)の承認公聴会が始まった。現在首都ワシントン連邦高裁判事を務めるジャクソン氏は公聴会の冒頭で、確固とした愛国心とキリスト教信仰を強調。野党・共和党議員からは、左派的な政治志向を持っているのではないかとの懸念や、特定の犯罪に対する甘い姿勢を追及する声が聞かれた。
ジャクソン氏は「この偉大な国に生を受けた」ことを喜ばしく思い、改めて神に感謝を捧げなければならないと述べた上で、最高裁判事に承認されれば政治に対して独立的な立場を維持し、法律の専門家が果たすべき限られた役割を受け入れると誓った。
上院司法委員会の与党・民主党議員は、最高裁判事にジャクソン氏が指名された歴史的な意義をたたえるとともに、同氏の裁判官としての実績を高く評価した。
一方、共和党側は批判的な目を向ける。その急先鋒はジョシュ・ホーリー議員とマーシャ・ブラックバーン議員の2人だ。ホーリー氏は、ジャクソン氏が児童ポルノ関連の罪を犯した被告らに対して言い渡した量刑が軽すぎたと指摘。ブラックバーン氏は、子どもや警官に危害を加える犯罪者を世間に戻してしまいかねない「隠れた政治志向」があるのではないかと疑問を呈した。
これに対してジャクソン氏は「私は過去246年にわたって保たれてきた憲法と米国民主主義の偉大な経験を支え、守り抜くために積極的に取り組む所存だ。私はこれまで10年近く判事の仕事に携わってきた中で、責任と独立性を非常に重視し、さまざまな事案を中立的な観点で判断している。私は事実を検証・解釈し、目の前のそうした事実について恐れず情実を入れず、司法的な宣誓に従って法を適用している」と訴えた。
ジャクソン氏は22日と23日も上院司法委で証言に臨む。