執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com – S&P500種指数は4日続伸していたが水曜日に反落して引けた。半導体銘柄の下落を受けてハイテク株への買いが細り、連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが景気後退を引き起こすという懸念が投資家心理を悪化させたようだ。
S&P500は0.90%、ダウ工業株30種平均は0.52%(182ポイント)、ナスダックは1.2%、それぞれ下落した。
半導体銘柄は2%以上下落し、Qualcomm (NASDAQ:QCOM)とMicronの弱さが足を引っ張り、ハイテク・セクター全体の重荷となった。
Micron Technology (NASDAQ:MU)は、予想を上回る第2四半期決算と第3四半期の見通しを発表したが、芳しくないマクロ環境下での成長鈍化懸念によって相殺され、3%以上の下落となった。
「企業が良好な業績を出したとしても、インフレ・リスクと消費者の支出を杞憂する投資家は先行きに対して懐疑的な見方をするだろう」とCredit Suisseは述べている。
ハイテク株と並んで最近の反発を下支えしてきた一般消費者財関連株も反落した。
PVH (NYSE:PVH) は、市場の予想を上回る四半期決算を発表したものの、今後の見通しに関しては予想よりも弱気であったことで相殺され、6%以上というセクター内で最大の下落率となった。
Mohawk Industries (NYSE:MHK)もまた、金融引き締めに伴う住宅市場の鈍化などいくつかの逆風を懸念され、JP Morganが同社の評価をアンダーウエイトに引き下げた後、4%以上下落し、セクター内で大きく足を引っ張る形となった。
一方、債券市場はFRBが積極的な引き締めを行いすぎて景気を後退させるのではないかという懸念から、一時イールドカーブの長短金利で逆転(逆イールド状態)がみられた。今後も注意深く動きを見る必要があるだろう。
FRB高官は、インフレ抑制のためにFRBが引き締めのペースを上げるよう求め続けており、水曜日もこうした懸念が市場に現れていた。
カンザスシティ連銀のEsther George総裁は水曜日、「インフレ率が40年ぶりの高水準で、失業率が過去最低に近いという経済状況を考えると、政策の中立スタンスに迅速に移行することが適切だ」と述べた。
米国10年債と2年債利回り差は、前日に一時マイナスに転じたが、その後も逆イールド状態になりつつある。
FRBは、今後予想される金融引き締めのペースに耐えられるほど経済は強いと述べている。水曜日の経済指標はまちまちで、4月の民間雇用者数は予想に反して上向きとなったが、第4四半期の経済成長率(GDP)は市場予想を下回って0.1%ポイント下方修正され、6.9%増となった。
その他のニュースでは、Boeing (NYSE:BA)は、中国南方航空が2024年までに103機のMaxジェット機を発注し、そのうち39機は今年納入される見込みだとブルームバーグが報じた後、上昇して引けた。