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日経平均は続伸、結局「先行きの見方」は分かれたまま

発行済 2022-04-14 12:19
更新済 2022-04-14 12:30

 日経平均は続伸。
339.01円高の27182.50円(出来高概算4億9000万株)で前場の取引を終えている。


 13日の米株式市場でNYダウは反発し、344ドル高となった。
3月の卸売物価指数(PPI)が前年同月比11.2%上昇と過去最大の伸びを見せたが、インフレのピークアウト期待が台頭し、反発を見越した買いが入った。
金利低下も安心感につながり、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は+2.03%と4日ぶりに大幅反発した。
本日の日経平均もこうした流れを引き継いで82円高からスタート。
朝方に一時27200円近辺まで上昇すると、戻り待ちの売りが出て高値圏でもみ合う展開となったが、前引けにかけて27200.89円(357.40円高)まで上昇する場面もあった。


 個別では、郵船 (TYO:9101)、川崎船 (TYO:9107)、商船三井 (TYO:9104)といった海運株やソフトバンクG (TYO:9984)、東エレク (TYO:8035)が堅調で、東京電力HD (TYO:9501)は6%超の上昇。
新型コロナウイルス治療薬の胎児へのリスクが嫌気されて前日急落した塩野義 (TYO:4507)だが、本日は承認審査に影響なしと伝わって4%超上昇している。
決算発表銘柄ではアダストリア (TYO:2685)、コシダカHD (TYO:2157)、吉野家HD (TYO:9861)などが急伸。
また、大阪チタ (TYO:5726)や邦チタニウム (TYO:5727)が東証プライム市場の上昇率上位に顔を出している。
一方、売買代金上位ではベイカレント (TYO:6532)など成長期待の高い新興・中小型グロース(成長)株の軟調ぶりが目立つ。
決算発表銘柄ではマネーフォワード (TYO:3994)などに売り。
3月度売上高を発表したスノーピーク (TYO:7816)は東証プライム市場の下落率トップとなっている。


 セクターでは、空運業、鉱業、非鉄金属などが上昇率上位で、その他も全般堅調。

一方、銀行業、水産・農林業、保険業など4業種が下落した。
東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の68%、対して値下がり銘柄は28%となっている。


 前日に500円あまり上昇した日経平均だが、本日も米株高で投資家心理が上向き、300円を超える上昇で前場を折り返した。
日足チャートでは27000円強に位置する25日移動平均線を上回り、次いで27300円手前に位置する75日移動平均線に迫る動き。
米消費者物価指数(CPI)発表前の25日線割れによる短期トレンドの悪化懸念はひとまず和らぎそうだ。
主力株も景気敏感系セクターを中心に全般堅調。
ただ、米金利低下・ハイテク株高の割に、個人投資家に人気の高い中小型グロース株の軟調ぶりが目立つのはやや気掛かりだ。
前引けの日経平均が+1.26%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は+0.83%。
ここまでの東証プライム市場の売買代金は1兆2000億円弱で、やや低調な印象を受ける。


 新興株ではマザーズ指数が-0.82%と反落。
やはり中小型グロース株安が響き、日経平均の堅調ぶりとはかなり様相が異なる。
直近上場のサークレイス (TYO:5029)やセカンドサイト (TYO:5028)が賑わい、大きく上昇しているが、メルカリ (TYO:4385)などの主力株は総じて軟調。
東証グロース市場の売買代金は4日から6日にかけて1日2000億円台で推移していたのが、12日1262億円、13日1452億円に減少している。
時価総額の大きい主力株を避け、値動きの軽い小型株に物色の矛先が向きやすいだろう。


 さて、注目された3月の米CPI・PPI発表を通過し、12日の当欄「世界的な物価高が相次ぎ伝わり米CPI発表へ」で示唆したとおり、ひとまず長期債・株売りの反動が出てきた格好だ。
株式市況の反発とともに、「インフレはピークアウトしそう」「米経済は堅調を維持する」といった強気の声も再び聞かれる。
こうした強気の声を支えるのは、米雇用市場が足元堅調なことなどに加え、長短金利の逆転(逆イールド)発生から景気後退まで通例として1.5~2年程度かかるということだ。
また、前提として「金融相場」から「業績相場」へと続く相場サイクルの通例が念頭にあるのだろう。


 一方、前日の当欄で触れられていたバンク・オブ・アメリカ(BofA)のファンドマネジャー調査結果に見られるように、景気悪化を見込む投資家は非常に多い。
食料品やエネルギー等の価格が急騰し、金利上昇により住宅ローン支払い額は増大。
筆者も日本のいち消費者として、ここ1~2カ月ほどの支出はかなり増えている印象を受ける。
米連邦準備理事会(FRB)による今後の急速な金融引き締めが景気を冷え込ませるとの懸念は拭いづらいだろう。
今回は相場サイクルが通例より急速に進行しているとの見方も少なからず聞かれる。


 結局のところ、3月25日の当欄「経済の先行きで見方分かれる?」以来度々述べているとおり、米国を中心とした世界経済の先行きに対する見方は大きく分かれたままである。
これが短期的な株価変動を大きくしている一因でもあると考えられる。


 しかし、(1)異例の金融緩和局面で拡大したレバレッジは縮小傾向にあること(戻り売り目線の投資家が多い)、(2)証券各社の調査を見ると、機関投資家は景気の先行きに慎重な見方を示しつつも、持ち高としては中立水準にあるとみられること(大きく売り持ちに振れているわけではなさそう)、(3)日本株について言うと、コロナショック直後は日銀の上場投資信託(ETF)買いが下値を支え、売り方の買い戻しで株価水準を切り上げる展開となったが、日銀のETF買いがほとんど入らなくなった現在は売り方の買い戻しで高値を取りに行くような展開が期待しづらいこと、などの点から、日経平均は中長期的に上値切り下げのトレンドを維持するとの見方に変わりはない。


 投資家はこうした環境とともに自身の投資スタイルやターゲットとする期間、リスク許容度などをよく理解したうえで相場に取り組む必要があると改めて強調しておきたい。

(小林大純)

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