[東京 15日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(125.86/89円)に比べてドル安/円高の126.42/44円で推移している。仲値にかけて実需のドル買いが活発になり、一時126.56円の高値を付けた。2002年5月以来の高水準。
その後も、米長期金利の高止まりを支えに126円前半から半ばで堅調地合いを維持した。
足元の米10年債利回りは2.82%台後半と、直近の高値圏で推移している。市場では、「昨日は米金利低下に伴いドル/円もやや弱含んだが、再び米金利が上向いたことで、ドル/円も堅調に推移したようだ」(野村証券のチーフ為替ストラテジスト・後藤祐二朗氏)との声が聞かれた。
きょうは五・十日で、仲値にかけて実需のドル買いが活発になったことに加え、イースター休暇で海外市場の多くが休場となる中、「流動性が薄い相場でドル/円の上昇に弾みが付いたのではないか」(後藤氏)という。
円安に関する鈴木俊一財務相の発言には、反応は限定的だった。ソニーフィナンシャルグループのアナリスト、森本淳太郎氏は、「悪い円安論を背景に日銀が政策修正に踏み切る可能性は低く、ドル/円相場への影響は限られた」と指摘した。
足元では政府関係者から円安をけん制するような発言が相次いでいるが、マーケットの反応は薄く、「同じような発言が繰り返され、徐々に市場も慣れてきている」(国内証券)との声もあった。
鈴木財務相は15日の閣議後会見で、原材料価格の上昇が十分に転嫁できないことや賃金上昇が不十分な環境では、円安は「悪い円安ということが言えるのではないかと思っている」と述べた。
ユーロは対ドル、対円でもみあう展開が続いた。前日に開かれた欧州中央銀行(ECB)理事会では政策金利の据え置きが決定された。市場では、利上げに慎重なECBの姿勢が確認されたことで、目先のユーロは対ドルで軟調な地合いが続きやすい、との観測が聞かれた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 126.42/44 1.0804/08 136.59/63
午前9時現在 126.16/18 1.0820/24 136.52/56
NY午後5時 125.86/89 1.0827/30 136.29/33