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NY市場サマリー(28日)円02年以来の安値、株大幅高

発行済 2022-04-29 06:31
更新済 2022-04-29 06:36

[28日 ロイター] - <為替> 日銀が金融緩和の据え置きを決定したことを受け円が2002年以来の安値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が他の主要中央銀行よりも速いペースで利上げを実施していくとみられる中、日米の国債利回り格差が拡大するとの見方がドルの支援要因になっている。

ユーロは、ロシアがポーランドとブルガリアに対する天然ガス供給を停止したことなどが懸念要因になり、5年ぶり安値を付けた。

日銀は27─28日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定。ハト派的な内容だったと受け止められ、東京時間の取引でドル/円は20年ぶりに130円台に乗せていた。

終盤の取引で、円は対ドルで130.90円。一時は131.25円と、02年4月以来の安値を付けた。円の下落を反映し、ドル指数は一時02年12月以来の高値を更新。

FRBは5月3─4日の連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利上げを決定する見通し。その後も積極的な利上げを継続するとみられている。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.62%高の103.62。一時は103.93まで上昇した。

商務省が朝方発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比1.4%減と、予想外に縮小。これを受けドルは一時上げ幅を縮小した。

終盤の取引でユーロは対ドルで1.0505ドル。一時は1.0470ドルと、17年1月以来の安値を付けた。

英ポンドも下落し、1.2412ドルと、21カ月ぶり安値を更新した。

暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが2.04%高の4万0058ドル、イーサが2.69%高の2698ドル。

<債券> 指標10年債利回りが今年の最高水準近辺に上昇した。第1・四半期の米経済成長率が予想外に縮小したものの、米労働市場の堅調さが示されたことを受けた。

米商務省が28日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比1.4%減と予想外に縮小した。

一方、米労働省が28日発表した23日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週比5000件減の18万件となった。

10年債利回りは3.1bp上昇の2.849%。30年債利回りは0.8bp上昇の2.917%。

2・10年債の利回り格差は20.8bp。2年債利回りは6.5bp上昇の2.642%だった。

7年債利回りは6bp上昇の2.904%。米財務省は440億ドルの入札を実施した。

<株式> 大幅高で取引を終えた。IT大手メタ・プラットフォームズの好調な四半期決算を受け、ハイテク株やグロース株が買われた。

メタは17.6%上昇。27日発表した第1・四半期決算は1株利益が市場予想を上回ったほか、交流サイト(SNS)フェイスブックの利用者が再び増加に転じた。

主要11セクターでは、通信サービスと情報技術が上げを主導し、それぞれ4.04%、3.89%上昇した。

引け後の四半期決算発表を控えたアップルとアマゾン・ドット・コムもともに4%超上昇した。

ただ、アマゾンは引け後の時間外取引で約10%安。今四半期の売上高見通しが市場予想を下回ったことを受けた。

米商務省が28日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比1.4%減と、予想外に縮小した。

S&P総合500種構成銘柄で第1・四半期決算を発表した237社のうち予想を上回ったのは81%。リフィニティブによると、予想を上回る割合は通常66%という。

半導体大手クアルコムは9.7%高。27日示した第3・四半期(4─6月)の売上高見通しが市場予想を上回った。

フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は5.6%高。1年超ぶりの大幅な上昇を記録した。

一方、重機メーカーのキャタピラーは0.7%安。28日、最大市場の1つである中国の2022年の掘削機需要がパンデミック(世界的大流行)前の水準を下回る可能性があると発表した。

バイオ医薬品大手アムジェンは4.3%安。内国歳入庁(IRS)から51億ドルの追徴課税を求められたと発表した。

<金先物> 前日に約2カ月ぶりの安値を付けた反動で買い戻しが入り、小反発した。中心限月6 月物の清算値(終値に相当)は前日比2.60ドル(0.14%)高の1オンス=189 1.30ドル。

市場が大幅利上げを想定する米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え、金利差拡大の観点から、ドル指数が対主要通貨で約20年ぶりの水準に上昇。連邦準備制度理事会(FRB)は次回以降のFOMCでも積極的な金融引き締めを続ける可能性があるとの見方も台頭しており、ドル建てで取引される金塊は割高感に圧迫され、未明に一時1870.90ドルまで下落した。

ただ朝方にかけては、月末を前に持ち高調整の買い戻しが入り、前日終盤の水準付近でもみ合う展開。米商務省がこの日発表した2022年1─3月期の実質GDP(国内総生産)は年率換算で前期比1.4%減少し、7期ぶりのマイナス成長を記録したが、国内需要は底堅さを保っているとして、売り買いは相殺された。

<米原油先物> 欧州連合(EU)がロシア産石油の禁輸に動くとの観測を背景に買いが入り、3営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比3.34ドル(3.27%)高の1バレル=105.36ドル。7月物は2.79ドル高の103.47ドルだった。

28日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)が複数の関係者の話として報じたところによると、EUに派遣されているドイツの代表団は、エネルギー資源の代替調達先の確保に十分な時間が与えられるなら、ロシア産石油輸入の全面禁止に反対しない姿勢を表明した。

対ロ依存度の高いドイツが方針転換に応じたことで、EUが近く段階的なロシア産原油の禁輸で合意する可能性が浮上。ロシアの産油量は今年、最大17%減少するとの分析も出ているが、国際市場への流入が止まれば需給が一段と引き締まるとの警戒感が強まった。供給リスクの高まりにかかわらず、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の有力産油国で構成する「OPECプラス」は6月以降も従来の小幅増産体制を維持するとみられている。

相場は朝方にかけて一進一退となっていたが、米紙の報道をきっかけに買いが膨らみ、 じりじりと上げ幅を拡大。この日の高値近くで清算値を確定した。

ドル/円 NY終値 130.85/130.88

始値 130.39

高値 131.24

安値 130.29

ユーロ/ドル NY終値 1.0494/1.0498

始値 1.0495

高値 1.0531

安値 1.0472

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 87*01.50 2.9023%

前営業日終値 86*29.50 2.9090%

10年債(指標銘柄) 17時05分 91*27.50 2.8321%

前営業日終値 91*31.00 2.8180%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*17.50 2.8479%

前営業日終値 99*22.88 2.8120%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.00 2.6294%

前営業日終値 99*27.25 2.5770%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33916.39 +614.46 +1.85

前営業日終値 33301.93

ナスダック総合 12871.53 +382.60 +3.06

前営業日終値 12488.93

S&P総合500種 4287.50 +103.54 +2.47

前営業日終値 4183.96

COMEX金 6月限 1891.3 +2.6

前営業日終値 1888.7

COMEX銀 7月限 2318.1 ‐32.4

前営業日終値 2350.5

北海ブレント 6月限 107.59 +2.27

前営業日終値 105.32

米WTI先物 6月限 105.36 +3.34

前営業日終値 102.02

CRB商品指数 308.0221 +2.3095

前営業日終値 305.7126

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