[30日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイスが、ロシア新興財閥のオリガルヒに関連する事業取引を巡り投資家を欺いたとして米国で集団訴訟を起こされた。
原告を代表する法律事務所ポメランツLLPが29日夜に発表した文書によると、ニューヨークの裁判所に訴えを起こしたのは、2021年3月19日から22年3月25日の間にクレディ・スイスの証券を取得した個人や団体。
「訴状では、被告(クレディ・スイス)が集団訴訟対象期間を通じて、事業、運営(オペレーション)、コンプライアンス(法令順守)の方針に関して重大な虚偽、誤解を招く説明を行ったと主張している」とした。
具体的に2月の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道を引用し、証券化取引について情報開示の不備を指摘した。FTは、クレディ・スイスがオリガルヒや起業家のヨットやプライベートジェットに関連した複数の融資債権を証券化したと報じた。
さらに訴訟では、米議員が3月、クレディ・スイスに対し、制裁対象になり得る個人のヨットやプライベートジェットへの融資に関連する資料提出を要求したことにも言及している。
クレディ・スイスは3月28日の内部文書で、ウクライナ侵攻を受けてロシアでの新規事業を停止した。ロイターが内部文書を把握した。