執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com -- 消費者物価指数(CPI)の発表を受けて、インフレ率が40年ぶりの高水準にとどまっていることが確認され、連邦準備制度理事会(FRB)が今後も積極的に利上げを行うとの懸念が高まり、ハイテク企業の大幅な反落が全体的な売りが加速し、水曜日のダウ工業株30種平均は年初来の安値をつけた。
ダウ工業株30種平均は 1.1%, 342 ドル, S&P 500 1.7%, Nasdaq 2.3%それぞれ下落した。
労働省は水曜日に、消費者物価指数が先月の1.2%から前月比0.3%に減速したものの、0.2%の上昇に留まるとしていた予測は上回るものとなった。4月の前年同月比の消費者物価は、8.5%から8.3%に減速した。
この報告を前に、多くのエコノミストはインフレがピークに近づいていると予想していたが、最新の数値は、FRBが金融政策に対してよりタカ派になる理由を持たせるものと思われる。
「パウエル議長は先週、今後2回のFOMC会合で0.75%の引き上げを真剣に検討していない、と述べた。今日の消費者物価指数をみて、検討することになるかもしれない」とJefferiesは述べている。
「FRBは、景気を後退させるか、インフレを押し下げるかの微妙なラインを歩いている。」と、指数と分析を提供するQontigoの応用研究マネージング・ディレクターのMelissa Brown氏は水曜日にInvesting.comとのインタビューで述べた。「ただ、そのラインはより細くなっている」という。
FRBがより積極的になるとの観測が強まる中、大手ハイテク企業は上昇が止まり、反落した。
Apple(NASDAQ:AAPL)は5%下落した。同社はSaudi Aramco (TADAWUL:2222)に最も価値のある企業としての王座(時価総額世界一の座)を明け渡したことになる。
しかし、エネルギー関連株の上昇は、Occidental株の上昇と新たな供給懸念による原油価格の上昇に支えられ、市場全体の下げ幅を抑える展開となった。ウクライナは、ロシアの侵攻を理由に、ドンバス地域にある主要な中継地点を経由した欧州への天然ガス供給を停止した。
Occidental Petroleum (NYSE:OXY)は、エネルギー価格の上昇が成長を後押しし、また予想を上回る四半期決算を発表し、1%以上の上昇となった。
一方、Coinbase Global(NASDAQ:COIN)は、ビットコインを含む暗号資産の暴落と市場のボラティリティ低下により、第1四半期決算を発表したが予想を下回る結果となった。尚、同社の株価は26%以上下落した。
市場では、暗号資産取引プラットフォームが今後数四半期で成長率が鈍化することが指摘されても、同社への長期的な投資案件はそのままであると考える人が残っているようだ。
Oppenheimerは、目標株価を314ドルから197ドルに引き下げたが、暗号資産の継続的な導入や同社の強力なバランス・シートなど、同社の長期的な投資が確実に維持されるポジティブなファンダメンタルズを指摘している。
Unity Software (NYSE:U) は、今後の成長見通しが軟調で、第1四半期決算が市場の予想を下回り、同社の株価は37%下落した。
しかし、業績面ではいくつかの明るい話題もあった。
Krispy Kreme (NASDAQ:DNUT)の四半期 決算にて売上高と利益が共に予想を上回り、株価は3%以上の上昇となった。一方、Roblox(NYSE:RBLX)も良好な四半期決算の結果を受け、3%以上の上昇となった。