[19日 ロイター] - 米国株式市場は不安定な取引の中、続落して終了した。市場ではインフレと利上げに対する懸念が払拭されていない。
ネットワーク機器大手のシスコシステムズのほか、半導体大手ブロードコムやアップルなどが売られ、S&P総合500種の重しになった。
シスコは13.7%急落。前日発表した第3・四半期(2─4月)決算は中国のロックダウン(都市封鎖)やウクライナ情勢の影響を受けて売上高が予想を下回り、2022年度の利益見通しを引き下げた。
アップルは2.5%、ブロードコムは4.3%、それぞれ下落した。
USバンク・ウェルス・マネジメントのチーフ株式ストラテジスト、テリー・サンドベン氏は「インフレが高進し、金利が上昇しているのが現実だ」とし、「インフレ率が低下し始めるまでボラティリティーの高い状況が続く見通しで、ほぼ夏場を通じて継続するだろう」と述べた。
ツイッターは1.2%高。同社幹部が従業員に対し、イーロン・マスク氏による買収は予想取り進んでおり、買収価格の再交渉は行わないと伝えたとの報道を好感した。
小売企業が物価上昇による消費者の購買力低下に直面する中、S&P主要消費財指数は2%下落し、12月以来の低水準となった。
この日は百貨店のコールズが高インフレを背景に通期の業績予想を下方修正した。ただ、前日にターゲットの軟調な決算を受けて11%急落していたことから、この日は4%超反発した。
S&P500は1月3日に付けた終値での最高値から約18%下落している。下落率が20%以上になれば弱気相場入りを確認する。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX)は一時、今月12日以来の水準に上昇する場面もあったが、結局29.5に低下して取引を終えた。
米取引所の合算出来高は127億株。直近20営業日の平均は134億株。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.15対1の比率で上回った。ナスダックでも1.31対1で値上がり銘柄数が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 31253.13 -236.94 -0.75 31262.62 31569.13 31016.41
前営業日終値 31490.07
ナスダック総合 11388.50 -29.66 -0.26 11364.40 11562.82 11313.31
前営業日終値 11418.15
S&P総合500種 3900.79 -22.89 -0.58 3899.00 3945.96 3876.58
前営業日終値 3923.68
ダウ輸送株20種 13439.21 -252.45 -1.84
ダウ公共株15種 989.40 -2.28 -0.23
フィラデルフィア半導体 2890.33 -17.63 -0.61
VIX指数 29.35 -1.61 -5.20
S&P一般消費財 1116.01 +1.44 +0.13
S&P素材 518.27 +3.52 +0.68
S&P工業 765.40 -7.30 -0.94
S&P主要消費財 730.82 -14.73 -1.98
S&P金融 547.15 -3.83 -0.70
S&P不動産 261.69 -0.53 -0.20
S&Pエネルギー 616.28 -1.74 -0.28
S&Pヘルスケア 1492.11 +3.23 +0.22
S&P通信サービス 194.22 -1.14 -0.58
S&P情報技術 2282.62 -24.77 -1.07
S&P公益事業 361.84 -0.80 -0.22
NYSE出来高 11.65億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 26380 + 10 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 26370 0 大阪比