[東京 26日 ロイター] - 東芝は26日、6月28日の定時株主総会に諮る取締役候補13人を発表し、取締役会議長にはGCA創業者でM&Aアドバイザリー会社フーリハン・ローキー会長の渡辺章博氏を選任する予定だとした。取締役には主要株主の米ファラロン・キャピタル・マネジメントと米エリオット・マネジメントからも1人ずつ選任する。
東芝は2021年の総会で当時議長だった永山治氏の再任案が否決されて以降、綱川智氏が暫定的に取締役会議長に就いていた。
「物言う株主」のファラロンからは今井英次郎氏、エリオットからはナビール・バンジー氏を取締役候補として選任する。
ファラロンは6%超の株式を保有する東芝第3位株主。エリオットも5%弱を保有しているとみられる。
取締役候補の発表後に会見したレイモンド・ゼイジ指名委員会委員長は「取締役会において今後数カ月の最も重要な議論は戦略的選択肢と非上場化のプロセス」と述べた上で、「(取締役候補は)これらの条件において専門知識を持っている」との見解を示した。
今井氏とバンジー氏の選任に関しては「株主から推薦された方の中でこの役に適格であると考えられた2人。株主の代表者を入れる方が良いという判断の結果」と説明。ファラロン出身のゼイジ氏に加え、同ファンドでマネージングディレクターを務める今井氏が新たに就任することは他の株主との公平性で偏りがでるとの一部指摘については「独立性のレビュー調査は行われている。株主に対して不公平という意見は正しくない」と主張した。
議長を含む新たな社外取締役候補は5人。社内からは、島田太郎社長、柳瀬悟郎副社長2人の選任を諮る。綱川氏や櫻井直哉代表執行役は退任する。
東芝は今月13日、予定していた取締役候補者の選任案の公表を中止した。一部の候補者について、利害関係や独立性などに関する書面上の確認手続きで遅れが出ていたという。
東芝は事業パートナーとなり得る投資家やスポンサー候補との協議を開始。13日時点で10社から秘密保持誓約書を受け入れた。6月の総会を前に、提案を出した投資家らの数や提案の内容を公表する予定としている。