40%引きでご購読
新規!💥 ProPicksを手に入れ、S&P 500を1,183%を超える投資成績を実現した、戦略をご覧ください40%割引で開始

インタビュー:シームレス鋼管は今期黒字、脱ロシアでLNG増産需要=日鉄副社長

発行済 2022-05-27 07:40
更新済 2022-05-27 07:45
© Reuters.     日本製鉄の森高弘副社長は、エネルギーの脱ロシア依存が進み始めた影響で、液化天然ガス(LNG)需要が増加し、掘削用のシームレス鋼管の引き合いが増加していることを明らかに

© Reuters. 日本製鉄の森高弘副社長は、エネルギーの脱ロシア依存が進み始めた影響で、液化天然ガス(LNG)需要が増加し、掘削用のシームレス鋼管の引き合いが増加していることを明らかに

[東京 27日 ロイター] - 日本製鉄の森高弘副社長は、エネルギーの脱ロシア依存が進み始めた影響で、液化天然ガス(LNG)需要が増加し、掘削用のシームレス鋼管の引き合いが増加していることを明らかにした。同事業は脱炭素化の流れや新型コロナウイルスの感染拡大などで2021年度に赤字だったが、今年度は黒字化を見込むという。

ロシア産LNGのシェアは約17%で世界第2位。ウクライナ侵攻で代わりの調達先を探す国が増える中、ロシア以外の生産国で増産に向けた動きが活発化している。森副社長はロイターとのインタビューで、掘削に使うシームレス鋼管の需要が拡大していると説明。「中東などで増えている」と語った。

同社のシームレス鋼管は腐食しやすい過酷な環境下でも使える高級品で、天然ガス掘削には不可欠とされる。森副社長は、汎用の鋼管が使われる石油向けは石油メジャーの投資が戻っていないことから厳しい状況が続いているが、LNGは「トランジション(移行期の)エネルギーとして残る。そう大きく悲観的ではない」と述べた。

シームレス鋼管事業は19年度後半から厳しい環境に直面した。脱炭素で石油メジャーが投資を手控えたことに加え、コロナの世界的な感染拡大の影響で、21年度に赤字転落した。足元の需要増はおよそ半年後に収益に反映され、さらに円安の追い風もあり、22年度は「間違いなく黒字になる。それなりの利益を出すだろう」と語った。「まずは19年度の利益水準に届きたいが、そこまで行けるかどうかは分からない」とした。

<今期懸念はコスト高、鋼材価格に転嫁へ>

森副社長は今期の懸念材料として、原料高とそれをさらに押し上げかねない円安を挙げ、「鋼材市況が低迷するなかで、原料ばかりが上がるのが最大のリスク」と述べた。ただ、足元の海外市況は「コスト高に対して持続性のない市況水準だと思う。今の原料価格が続くのであれば、市況は戻ってくると思う」との見通しを示した。

© Reuters.     日本製鉄の森高弘副社長は、エネルギーの脱ロシア依存が進み始めた影響で、液化天然ガス(LNG)需要が増加し、掘削用のシームレス鋼管の引き合いが増加していることを明らかにした。写真は都内で2019年3月撮影(2022年 ロイター/Yuka Obayashi)

同社は5月10日に22年3月期決算を発表した際、ロシア・ウクライナ情勢などで先行きが極めて不透明だとし、今期の業績見通しの開示を見送った。

21年度の鋼材価格は、20年度比1トンあたり3万1500円上昇して11万7700円となった。足元では、主原料、市況原料、物流費などの外部コストが昨年度下期比4万円超上がっている。森副社長は「外部コストの上昇は、サプライチェーン全体で負担していくということは、顧客とも共通認識としてある」と指摘、鋼材価格へ転嫁していく意向を示した。さらには、商品やサービスの価値の部分についても、引き続き価格への反映を求めていく考えだ。

*インタビューは25日に実施しました。

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます